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自衛隊の人手不足 安易に「外国人登用」と考える前に…

日本の人口減少と少子化が進むなか、自衛隊の人的基盤をどのように維持するかが重要な課題となっている。防衛省によると、2026年3月31日時点の自衛官の定員は24万7154人、現員は21万7701人で、充足率は88.1%である。約2万9000人の差が生じており、人材確保は防衛力を支える喫緊の課題である。

こうした状況を背景に、自衛隊に外国人を登用する可能性について議論する余地が生じている。ただし、現行制度では自衛官の応募資格は日本国籍を有する者に限られており、外国籍の者が自衛官として採用されることは認められていない。そのため、外国人登用を考える際には、現在の制度と将来的な制度変更を明確に区別する必要がある。

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自衛隊で国籍が重視される理由は、自衛官が国家防衛を直接担う職務だからである。自衛官は部隊運用、武器・装備の取り扱い、警戒監視、情報収集などに従事し、作戦計画や部隊配置、装備性能など機密性の高い情報を扱う場合もある。外国籍の隊員を認める場合には、機密情報へのアクセス範囲や情報漏えい防止策、出身国との関係を含む安全保障上の確認など、多くの課題が生じる。

一方、防衛分野ではサイバー、人工知能、情報分析、語学、地域研究など、高度な専門知識を持つ人材の重要性が高まっている。すべての職務が同じ権限や機密情報へのアクセスを必要とするわけではないため、仮に将来制度を変更するのであれば、外国人を特定の専門職に限定して活用する方法も考えられる。例えば、語学や特定技術などの分野で採用し、情報へのアクセス権限を必要最小限に設定する考え方である。

そもそも「外国人登用で自衛官不足は解消しない」

ただし、専門職に限定した場合でも、採用後の配置転換や昇任、武器の取り扱い、指揮命令系統への参加、機密情報へのアクセスをどこまで認めるのかという問題が残る。採用時の審査だけでなく、勤務中の情報管理やアクセス権限の継続的な見直しも必要となる。また、外国人材の活用は、必ずしも自衛官として任用することだけを意味しない。防衛関連企業、大学、研究機関などに所属する外国人の専門家を、研究協力や技術協力などを通じて防衛分野に活用する方法も考えられる。ただし、防衛行政や関連業務にも国籍要件が設けられている場合があり、制度上の整理が必要となる。

もっとも、外国人を採用対象に加えるだけで自衛官不足が解消するわけではない。若年人口の減少や採用競争、勤務環境など複数の要因が人材不足につながっているため、日本人の採用強化、処遇や勤務環境の改善、女性や経験者の活用、無人化・省人化などを並行して進める必要がある。外国人を受け入れる場合にも、日本語教育や専門教育、安全保障上の身元確認など新たな制度的コストが発生する。

したがって、自衛隊における外国人登用は、「人手不足だから外国人を受け入れる」という単純な問題ではない。人口減少によって人的基盤が縮小するなか、どの任務を日本国籍者に限定し、どの分野で外国人を含む専門人材を活用できるのかという制度設計の問題である。現時点では外国籍の者を自衛官として採用することはできない。しかし、将来的に人的制約がさらに強まれば、外国人を含む専門人材を防衛分野でどこまで活用できるのかという議論が浮上する可能性がある。その際には、人材確保だけでなく、機密保全、情報管理、指揮命令系統、国家との関係などを総合的に検討する必要がある。

重要なのは、外国人を一律に受け入れるか否かではなく、任務と権限、機密情報へのアクセスなどを基準として、具体的な制度のあり方を検討することである。

文/和田大樹 内外タイムス

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