窮地に立たされた居酒屋「昭和食堂」運営の海帆 年利15%で資金を借り入れる緊急事態に
居酒屋「昭和食堂」などを運営する海帆が経営危機に陥っている。
韓国保守系大手紙・中央日報が経営危機に 新聞中心のビジネスモデルの限界示す
太陽光発電事業者の約1億900万円の債務に対して、名古屋地方裁判所から預金の差押命令を受けたことに加え、約3900万円の社会保険料も滞納。日本年金機構から資産の差押も受けていたことが6月26日に明らかになった。
海帆の監査法人は必要な監査手続きを完了できなかったなどとして、財務諸表に「意見不表明」を突き付けた。資金のひっ迫が深刻であることにも言及している。
意見不表明は監査法人が財務諸表に対して適正かどうかの意見が出せないことを示すもので、上場の維持に重大な影響を及ぼす可能性があり、迅速な改善が求められるものだ。
これに対し海帆は、意見不表明は不正行為などによるものではなく、資金計画および資金調達の確実性に関する問題に限定されるとして、6月30日に短期借入金の返済を目的とした借入をすると発表した。
その内容は、医療向けシステムなどを扱う株式会社イメージワンから1億2500万円を調達するというものだが、借入利率は年利15%。カードローンや消費者金融並みの高い利率での借入だ。
資金繰りが綱渡り状態にあることがうかがえる。
8期連続で営業キャッシュフローがマイナスの異常事態
海帆は2018年3月期から一度も黒字化が実現していない。2026年3月期の決算書類は監査法人の意見不表明がついているものの、50億円超の最終赤字であり、自己資本比率は2025年3月末の30.7%から1年で4.9%まで急低下した。債務超過ギリギリの水準だ。
財務体質がぜい弱なことに加え、資金繰りも悪化。2026年3月末時点で4億7200万円の現金及び預金と3億4900万円の売掛金があるが、8億4100万円の短期借入金と、1年以内に返済予定の長期借入金が3億円近くあることに加え、10億円を超える未払金もある。仮に6月30日に発表した資金調達で乗り切ったとしても、すぐに資金繰りに窮する姿が浮かぶ。
海帆は2019年3月期から連続して営業キャッシュフローがマイナスに陥っている。つまり、本業だけでは事業活動に必要な現金が足りておらず、資金調達で会社を存続している状態が続いているのだ。
赤字が継続するよりも、営業キャッシュフローが連続してマイナスの会社の方がより深刻だ。2022年にオーディオ機器を扱うオンキヨーが倒産したが、3期連続で営業キャッシュフローがマイナスだった。8期連続でマイナスという海帆の危険度が際立つ。
海帆は数奇な運命をたどった会社だ。居酒屋や焼き肉店を軸に店舗網を拡大。2015年に当時のマザーズ市場に上場した。しかし、コロナ禍で経営環境が一変。2020年に債務超過に陥った。
投資会社などからの資金調達で財務体質を強化。財務改善を成し遂げることができた。2022年に吉川元宏氏が社長に就任すると、再生可能エネルギーを軸に立て直しを図ることになる。
しかし、事業構造の転換は皮肉な結果を招くことになった。コロナが収束して飲食市場が回復したことに加え、不採算店舗を閉鎖したことで海帆の飲食事業は2024年3月期に事業単体で2億円近い利益を出している。一方、再生可能エネルギー事業はおよそ2億5000万円の赤字だ。結局のところ、再生可能エネルギー事業は海帆が恒常的な赤字に陥る主要因となった。
海帆はコロナでの経営危機で資金調達を重ねたことにより、多くの利害関係者を株主に招き入れてしまった印象がある。最近ではメディカル領域にも進出したが、主力の飲食事業とのシナジー効果が高いようには見えない。
資金繰りが悪化したことで更なる増資をすれば、財務は安定しても経営のかじ取りがきかなくなる可能性も高い。海帆はコロナ禍以上の危機を迎えているようだ。
文/不破聡 内外タイムス





