• 全国
  • 殺人急増のコスタリカで国内最大の刑務所が開所 モデルとなった「テロリスト監禁センター」とは
  • HOME
  • 全国
  • 殺人急増のコスタリカで国内最大の刑務所が開所 モデルとなった「テロリスト監禁センター」とは

殺人急増のコスタリカで国内最大の刑務所が開所 モデルとなった「テロリスト監禁センター」とは

中米・コスタリカで国内最大となる刑務所の開所式が14日に行われたと「TBS NEWS DIG」が報じた。同刑務所は「世界で最も恐ろしい」といわれるエルサルバドルにある巨大刑務所をモデルにしたとされる。

自ら“地獄”に向かった脱北者(後編)母親救出のため北朝鮮へ…逃走、潜伏、逮捕の末、刑務所前で親子再会

同刑務所は5100人の収容が可能で、建設費用はおよそ50億円という。かつて「中米の楽園」とまでいわれたコスタリカは治安の良い国として知られていた。ところが2022年以降、麻薬組織間の抗争が激化。治安の改善が急務となり、世界最悪の犯罪国といわれていたエルサルバドルよりも治安が悪いといわれる。

エルサルバドルといえば、30年近くにわたってギャングが縄張り争いを繰り広げ、「世界で最も治安が悪い国」と呼ばれるほど国民生活は荒廃。さらに、経済格差や統治機能の低下も治安悪化の一因となった。

しかし、2019年に大統領に就任したナジブ・ブケレ氏がギャングの徹底取り締まりを実行。2023年に完成した「テロリスト監禁センター」はブケレ氏が掲げた治安対策の象徴でもあった。その結果、世界最悪だった殺人事件の発生率は劇的に改善し、「中南米で最も安全な国」といわれるまでになった。

開設から3年足らずで2万人の凶悪犯を受け入れた同センターだが、釈放者は今なお一人もいないとみられる。収監されたら最後、“生き地獄”の生涯を送るとされている。

米国「CNN」の取材によると、送還者の頭髪はバリカンで剃られ、最大100人を収容する共同房に23時間半閉じ込められる。1日のうち30分ほど独房から出られ、運動や聖書を読むことなどが許されているようだ。

房内にはプライバシーはなく、マットレスも枕もない金属製の多段ベッドが並ぶのみで、私物の所持は禁止され、開放型の便器と洗面用のコンクリート製の洗い場、大きな水差しがあるだけ。また、安全のためにフォークの使用が禁止され、食事は手づかみだという。

受刑者が倉庫のような建物の外に一歩も出ることがないよう設計されている。一方で、常に鉄格子越しに監視されており、照明は終日消されることがない。天井の金属格子の上には、見下ろすように武装した警備員が待機し、いつでも発砲できる体制を整えているようだ。

しかし、国の治安は改善したものの、なりふり構わぬ治安対策の反動で「負の側面」も表面化しているようだ。地元の市民団体などからえん罪や人権侵害を批判する声も上がっている。政府は「最後のギャングを逮捕するまで撲滅作戦を継続する」としているという。凶悪犯を撲滅するには、他に手段は見当たらないのかもしれない。

関連記事一覧