日米で種類の違う騒動が 10周年を迎えたポケモンGOが抱える課題
ポケットモンスターを取り扱う位置情報ゲームの「ポケモンGO」が、今月で10周年を迎えた。これに合わせ、アメリカ・ニューヨークにて特別なポケモンを入手できるイベントが、日本時間の10日に開催された。タイムズスクエア一帯をジャックして開催されたこのイベントは、初代ポケットモンスターにおいて伝説のポケモンとして知られる「ミュウツー」をゲットできるというものだが、この出来事が一部で炎上状態に陥っている。
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今回登場したミュウツーは、パラーメータ表示画面の背景にニューヨーク限定のイラストが差し込まれるなど、ここでしか入手できない特別なポケモンだ。特別な要素を含んだポケモン自体は、これまでに日本を含む世界各地で提供されているが、「こうげき」「ぼうぎょ」「HP(ヒットポイント)」が全てマックスという、非常にレア度が高いものになっている。
さらに、ミュウツーを獲得するための施策として、ポケモンを必ず捕獲できるマスターボールも配布。これまでゲーム内で数回しか登場した事のないアイテムが、今回のイベントのために登場した。一見すると「ニューヨークにいる人・参加できる人が羨ましい」程度で済みそうな話であり、炎上する要素は見当たらないように思える。だが、問題はこのイベントに参加する方法だった。
単にタイムズスクエアを訪問するだけでは、このミュウツーを捕まえられない。事前にゲームの運営側が招待し、現地に来た人のみが、このイベントに参加できる。つまり、どれだけ過去に課金を行っていても、長くゲームを遊んでいても、運営側に選ばれた人しか、このイベントに参加できないのだ。
基本的にはポケモンGOを遊んできたインフルエンサーなどから選ばれたようだが、その条件などは非公開。これが一部ユーザーの「げきりん」に触れたようで、ゲームを遊ぶ上での不公平感があるなどといった運営批判につながっている。
ただ、必ずしも招待されたからといって「最強のミュウツー」を手に入れられるわけではない。YouTuberのはじめしゃちょーも招待を受けてイベントに参加していたようだが、彼がマスターボールで捕まえたのは通常のゲームイベントで登場する「一般的なステータスのミュウツー」だった。
無関係なフリーWi-Fiに「タダ乗り」
「ミュウツー問題」が発生した翌日、都立明治公園でもポケモンGOの10周年に関するイベントを開催。お笑い芸人のスギちゃん、グラビアアイドルの桃月なしこらも、イベントアンバサダーなどではなく一般の参加者として現地を訪問するなど、かなりの盛況ぶりを見せていた。ただ、会場内は人であふれかえり、とても公園内に全員を収容できる状態ではなかった。公園と隣接する国立競技場をつなぐ通路には多くの人が座り込み、階段で移動する人の妨げになることもあった。
多くの人が一斉に集まったということもあってか、一部では通信環境も悪化。ネットにつながらない人らが向かったのは、会場として指定されていない国立競技場の外周だった。この場所では、国立競技場が提供しているフリーWi-Fiサービスを利用できる。日陰に位置し、歩行数と連動する「たまごのふか」を行いやすい環境ということもあってか、公園内にいた人の数倍の人らが、建物周辺に押し寄せた。
幸い、この日は国立競技場を使用するイベントは無かったようだが、先週には音楽ユニット・Mrs.GREEN APPLEの公演が行われており、場合によってはすさまじい混雑が発生する可能性があった。ましてや、その理由がゲームイベント参加者のフリーライドであれば、モラル面でさらに批判されることになっただろう。
このような現象は、国内各地で開催されるポケモンGOのイベントでいまだによく見かける光景だ。リリースから10年が経過してもこれだけの人気を誇るゲームは珍しい。一方、これだけ多くの人が長く続けているゲームを、性善説に頼り切るには限度がある。ポケモンGOをめぐっては、時々貸し切り型のイベントを行うことがあるが、今後は全て施設貸し切り型のイベントにする、十分な広さのある施設のみで開催するなど、方針の転換を図る必要があるだろう。
文/池田聖人 内外タイムス編集部






