新刊発売 村上春樹の小説の主人公は本当にモテているのか実際に調査してみた
3日、村上春樹の新作「夏帆─The Tale of KAHO─」(新潮社)が発売された。初の女性主人公ということで、さっそくメディアやSNSで話題になっている。近年、ジェンダーやフェミニズムの観点から村上春樹の小説の主人公はなぜかモテてすぐやるからキモイと言われ、敬遠される向きもあったので、あえて女性主人公にしたのだろうか。
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しかし、村上春樹の小説の主人公は本当にモテているのだろうか。個人的にはあまりそういうイメージはない。こうなれば実際に調べてみるしかない。主要作品で実際に行為がどれくらいあるか調べてみた。
まず、デビュー作の「風の歌を聴け」(講談社)。指が4本の女の子と1回のみ。2作目の「1973年のピンボール」(講談社)は、なし。双子の女の子と添い寝のシーンはあるが、行為にはいたっていない。
青春3部作の最後を飾る「羊をめぐる冒険」(講談社)。耳のきれいな彼女と2回、元妻との回想で1回。合計3回。
「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」(新潮社)はピンクの服の女の子と1回、図書館のレファレンス係の女性と1回。合計2回。
次、村上春樹をメジャー作家にした「ノルウェイの森」(講談社)、直子と1回、諸々ナンパした女の子4人と1回ずつ、レイコさんと4回の合計9回。
青春3部作の続編的な位置づけの作品「ダンス・ダンス・ダンス」(講談社)は2回。ユミヨシさんと。全3巻の長編「ねじまき鳥クロニクル」(新潮社)4回だが、すべて精神的な行為。
「海辺のカフカ」(新潮社)は4回。さくらと佐伯さん2回ずつ。「1Q84」(新潮社)は男女ふたりの主人公が出てくるが、ふたり合わせて6回。
こう見てみると、突出して、「ノルウェイの森」が多いことがわかる。「ノルウェイの森」と言えば、村上春樹作品のなかで一番売れた作品だ(発売1年で300万部突破)。
普通の人にとって、村上春樹と言えば、「ノルウェイの森」なのだ。だから、一番ナンパや行為が多い「ノルウェイの森」の印象が世間一般のイメージになってしまったのではないか。数字だけ見ていると別にそんなにモテてもいない。「ノルウェイの森」は村上春樹を国民的作家に押し上げたが、同時に負の側面も与えた。「ノルウェイの森」の功罪というべきなのかもしれない。
文/神田桂一 内外タイムス






