“価格の優等生”もやしがピンチ…コスト上昇も価格下落で生産者減少、大手サイキ食品が事業停止
いつも低価格で“価格の優等生”といわれるもやしがいまピンチを迎えている。
値段が安いうえにサラダ、ラーメン、おかずなど用途が広い庶民の味方であるもやしだが、2009年には235あった全国のもやし生産者が今年度初めにはおよそ3分の1となる86にまで減少している。(工業組合もやし生産者協会調べ)
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最近では埼玉県を中心にもやしを生産・出荷していた大手のサイキ食品が今月1日までに事業を停止。同社は所沢の本社工場とふじみ野工場の2拠点を構え、緑豆もやしなどを栽培して販売。スーパー、飲食店などを得意先として営業を展開していた。
帝国データバンクによると、2018年3月期には年売上高約24億4100万円を計上していたが、近年は低迷し2026年3月期末時点で負債は約17億400万円だったという。
同社の事業停止は飲食店にも影響があったようで、取材した全国紙記者はこう話す。
「千葉県のあるスーパーでは今年6月まで同社のもやしを販売し、毎週日曜日には10円の特売セールを行っていましたが、仕入先が変わってできなくなったとか。埼玉県のあるラーメン店では6月に突然納品がストップし、しばらく自分でスーパーを回ってもやしをそろえたそうです」
近年、もやし業界が苦境に立たされている背景には何があるのか。もやし生産者協会は2022年11月の時点で新聞広告、ホームページで「もう続けていけない状況です」と窮状を訴え、その中では、30年前と比べて原料種子は3倍以上、最低賃金は1.7倍とコストが上昇する一方、もやしの全国平均価格は2割以上も下落、生産者も減り続けていると説明している。
「もやしの原料種子はほぼすべて輸入で、円安、天候不順、輸送コストなどが影響して値上がり。さらに、もやしは工場生産で24時間の温度管理が必要なため、燃料費、電気代の高騰も響いている。一方、もやしには安くて当たり前というイメージが定着しているため、生産コストが上がっても十分に価格転嫁できないのが業者にとって厳しいところといいます」(前出・全国紙記者)
最近は、もやしも値上げの傾向にあるようだが、生産者が減少する中、ある程度の価格上昇は仕方ないかもしれない。






