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中国の日系企業に新たなリスク…台湾有事を想定した改正「国防動員法」、その中身とは

中国で16年ぶりとなる改正「国防動員法」が施行された。

同法は、有事の際に国家主席が動員令を発令し、民間のヒト・モノ・技術・データを国家の国防目的へ迅速に転換・動員できるようにする仕組みだ。

2010年の旧法制定以来、初の大幅な改正で、台湾有事を想定したものと見られる。つまり、現代戦(ハイブリッド戦・サイバー戦・ハイテク戦)に対応し、動員の対象にデータやソフトウエアも含まれている。

そして、旧法では「予備役人員」の動員が中心だったが、改正法では「後備兵員」の備蓄と召集に改められ、退役軍人だけでなく、一定の訓練を受けた一般公民や兵役条件を満たす者など、補充要員の概念が広く再定義された。

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国防動員の対象には、中国に拠点を置く外資系企業も含まれると見られるため、日本企業には懸念が広がっている。

「日本企業として戦争に協力するわけにはいかない。だが、いざとなれば抵抗するすべもない」(中国駐在の日本企業幹部)

中国の安全保障に詳しい京都外国語大学の土屋貴裕教授は日本企業への影響について、テレビ東京系「WBS(ワールドビジネスサテライト)」の取材にこう答える。

「交通だとかさまざまな分野で(中国)企業の活動が制限される可能性がある。日本企業が工場の所有権を失わなくても工場に部品が届かないとか、電力や物流が国防需要に優先されて電力がなくなってしまう。そういったさまざまな操業コントロールリスクが存在する」

中国拠点が停止しても、事業ストップしない体制づくりを

日系企業が現地で保有する設計データ、顧客情報、AIアルゴリズム、技術ノウハウなどを中国政府に提供するよう命じられるリスクが生じる。これに応じた場合、企業の知的財産(IP)の流出につながるだけでなく、日本国内の経済安全保障推進法や対外輸出管理規制に違反する二重のリスクを抱えることになる。

また、現地採用の中国籍従業員が有事や演習時に突然召集・勤務動員され、事業所の人員が不足して稼働不能になるおそれもある。

脱中国を進めることだけが唯一の対応策ではないが、「中国拠点が完全に停止しても、グローバル全体の事業がストップしない体制」を構築しておくことが、今後の日本企業にとって最大の防壁となる。

2028年1月に台湾総統選挙が行われる。習近平国家主席はこの選挙結果を見て、台湾への対応を決めると見られる。その際、武力行使が選択肢に入ってくるのかどうか今の段階ではわからないが、少なくとも今回の法整備が準備活動の一環であることは間違いない。

文/横山渉 内外タイムス

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