リニューアルと共に基本有料化 旧OPENRECを待ち受ける「厳しい歴史」
主にゲーム実況者を対象にしたストリーミング配信プラットフォーム「OPENREC」が、今月から「mellow-fan」という名前に変わり、サービス内容も大きく変わった。誰でも配信・収益化が可能という強みを捨て、主に有料配信に絞ったサービスへと転換した。
今後はプロとしてゲーム実況を行う人、声優や著名なストリーマーらが出演する番組、アイドルグループのFRUITS ZIPPERなどが所属する「KAWAII LAB.」に関連した配信を中心に行うようだ。
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サイト内の動画を視聴するためには、基本的に有料のサブスク登録などが必要になる。例えば、NHK「クローズアップ現代」のナレーションなどを務める声優の安元洋貴がMCを務める番組では、月額880円と2200円のプランを用意。KAWAII LAB.のチャンネルは月額550円から4980円までの3プランを用意。この他にも、様々な番組ごとに数千円のチケットが販売されている。
mellow-fanを運営する企業の親会社である株式会社DONUTSでは、若年層の配信者を抱える「ミクチャ」も展開。グループ内で競合しかねない両サービスを、基本無料のミクチャと基本有料のmellow-fanに分け、明確な差別化を図った形になる。一方、ストリーミング配信の業界全体に目を向けると、大小さまざまなライバルが存在し、生まれては消えるという歴史を繰り返している。
配信業界における最大手は、言うまでもなくYouTube Liveである。大手テレビ局から視聴者0人の謎の配信まで、毎日世界のどこかで行われている配信を視聴できるだけでなく、自身もスマホを数タップすれば気軽に配信が可能だ。ゲーム実況の分野で最大手のTwitchは、名うてのプロゲーマーらが腕を競い合う場としても有名で、配信プラットフォーム側が賞金付きのeスポーツ大会を主催することもある。
日本進出の「中国大手」は撤退
海外のプラットフォームが精力的に活動する一方、国産のプラットフォームはお世辞にも盛り上がっているとは言い難い状況だ。この分野で先手を打って利用者を囲い込んでいたニコニコ生放送・有料ニコニコチャンネルは、ニコニコ動画の「衰退」と共に利用者が減少。8月には有料ニコニコチャンネル初の値上げも行われる予定で、新たな会員獲得や利用継続などに影を落としている。
DMMが2017年9月に開始した「LIVEcommune」は、翌18年5月でサービスを終了。1年足らずで個人配信事業からの撤退を決めた。また、中国最大の配信プラットフォームと呼ばれる「闘魚」と三井物産が連携して2019年にサービスを開始した「Mildom」は、サービス開始から約5年で終了。「ツイキャス」を運営するモイは2022年に上場を果たしたが、長年一定レベルの黒字を維持し続けている状態ということもあってか、株価は停滞と下落を繰り返している。
従来の方針を転換し、事実上新サイトのような形で再スタートを切ったmellow-fanだが、その理想の先には長い歴史の中で形成されてきたストリーミング業界の厳しい構図と、YouTubeやTwitchなど海外勢の存在が待ち受ける。そうした険しい道のりを乗り越え、「最高の土壌」を育めるかが、今後の試金石となる。
文/池田聖人 内外タイムス編集部






