タクシーやバスで乗車拒否、降車要請が可能に カスハラ客へ厳格に対応
国土交通省は、タクシーやバスでカスタマーハラスメントが発生した場合に、乗車を拒否したり、降車を求めたりできるようにルールを改める方針を固めた。客によるハラスメントが社会問題となっている中、どこまで効果を発揮できるか注目を浴びている。
共同通信社が10月15日に報じた。厚生労働省によれば、カスタマーハラスメントは「顧客等の言動」「雇用する労働者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたもの」「労働者の就業環境が害されるもの」の3つの要素をすべて満たすものであるとしている。直接の言動だけではなく、電話やインターネット上で行われるものも含まれるとのことだ。
同省の「職場のハラスメントに関する実態調査」(2023年度)によれば、過去3年間に労働者から「顧客等からの著しい迷惑行為」の相談があったと回答した企業の割合は27.9%だった。2020年度の調査と比較すると8.4ポイント増加したという。
タクシー業界も、さまざまなカスタマーハラスメントが指摘されている。東京ハイヤー・タクシー協会によれば、暴力行為や脅迫、盗撮や無断での撮影、プライベートへの不当な干渉などがハラスメントに該当するという。
国土交通省は業界の基本ルールを定めた「標準運送約款」を改定し、12月1日に施行する方針だ。背景には、10月1日に改正労働施策総合推進法が施行されたことがある。すべての企業や自治体にカスタマーハラスメント対策が義務づけられ、「事業主の方針等の明確化及びその周知・啓発」「相談体制の整備」といった措置を講ずべきとした。
一方、厚生労働省は、宅配業界やスーパーマーケット業界など、業種別のカスタマーハラスメント対策マニュアルを作成し、公式サイトで公開。現場で起こりうるハラスメントの具体例を挙げ、どのように対応すべきかを示している。業界に合った対策を示すことで、企業の取り組みを支援している。
今回の国土交通省の取り組みが実行された場合、情報が行き届いていない客など一部で混乱が生じる可能性がある。運転手の安全を確保しつつ、現場で適切に対応できる制度づくりが求められそうだ。






