コンビニおにぎり値下げ 「コメ余り」でコメの店頭価格も下落 農家が今になって「在庫処分」する理由
セブン-イレブン・ジャパンは24日、手巻きおにぎり2品を来月8日から値下げすると発表。具材など原料の調達コストを見直したという。「手巻おにぎり 炭火焼銀しゃけ」などが対象で価格を19円引き下げる。また、ローソン、ファミリーマートも来月から一部のおにぎりが値下げとなる。
コシヒカリ3000円以下に コメの価格急落、鈴木農相の“古い”農政が招いたツケ
一部報道によると、コンビニ各社のおにぎり値下げにはコメ価格の下落を販売価格に還元するだけでなく、「『コンビニのおにぎりは高い』という消費者のイメージを払拭したい狙いもあると考えられる」と伝えている。
近年は、コメ不足などを理由にコンビニおにぎりの価格が200円前後まで上昇。スーパーのおにぎりや弁当、牛丼店、カレー店、回転ずしなど、コメの使用量が多い業態にも値上げの波は広がった。
だが、今年に入り一部メディアが秋から本格的に出回る令和8年産の新米について、「前の年より安くなる可能性が高まっている」と報じ、「令和の米騒動」に終止符が打たれたとされている。
現に各地のJAは、2026年産のコメの仮渡し金が前年を大幅に下回る額を提示しているようだ。下落の背景にあるのは、コメの民間在庫量が例年より大きく膨らんでいる記録的な「コメ余り」だという。
農水省が全国のスーパーのPOSデータをもとに集計している5kgあたり平均販売価格は現在、3200円前後まで落ちており、年始に比べると約1000円の下落幅になった。今後、店頭価格はさらに下がる見通しだが、コメ農家の経営基盤を脅かす事態になりつつある。
コメの産地で有名な栃木県のある直売所では、年明けにはコメの売り場がすっからかんだったにもかかわらず、春ごろから売り場にコメが復活した。これに店員は、「この間までどこの農家に発注を出しても在庫がないって言っていたのに」と首をかしげ、「なぜ今になって売り場がにぎやかになるのだろう」と苦笑。価格も新米時期に比べて安価になっていた。
こうした動きには、コメの高騰が関係していたようだ。同県の農家の話によれば、「昨年9月の新米取引価格は例年の3倍以上の値が付き、1俵あたりの取引価格が約3万3000円でした。この金額でも十分な利益なのですが、『もっと高騰するのでは』との思惑から周りの農家も米を蔵に隠し持っていました。ところが、備蓄米の放出で徐々に市場価格が下落し、このままでは余剰米が発生してしまうと焦り、今になって“在庫処分”せざるを得ない状況なのです」
先月8日、国会で政府は食糧法の改正を成立させた。今回の法改正で、「生産調整の仕組み」そのものを廃止し、コメの生産は生産者の主体的な判断に委ねられることになった。とはいえ、コメ離れとなった今、農家にとっては取り返しのつかない状況に追い込まれているようだ。






