インスタントジョンソン・じゃいインタビュー(第3回)明石家さんまは“堅実派”、粗品は“負け”も笑いに 勝ち負けを超えた「面白い人生」
明石家さんま、サイバーエージェントの藤田晋氏、霜降り明星・粗品――。各界の著名人と麻雀や競馬を楽しむじゃいだが、本人はいたってマイペース。さんまの意外な麻雀スタイルから、粗品との競馬対決まで、話を聞くと見えてきたのは「勝つこと」だけではない独特の楽しみ方だった。
税制問題にも取り組むなか、最後に語ったのは「困難のない人生なんて面白くない」という言葉。じゃい流の“窮地を楽しむ力”とは――。
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明石家さんまは守り、藤田晋氏はバランス派…麻雀に出る人間性
――おじいさんがパチプロと後々知ったそうですが、じゃいさんには“ギャンブルの師匠”のような存在はいたのでしょうか?
じゃい 別にいないですね。桜井章一さんの本を読んで、結構影響を受けたというのはありますね。それくらいですね。
――誰かに習うということはなかったんですね。
じゃい ないですね。桜井章一さんの本を読んで、自分なりに形を変えてという感じです。
――桜井章一さんもかなり独特な方だと思います。最初に本を読んだとき、どう感じましたか?
じゃい 麻雀観は変わったと思いますね。ちまたの麻雀とか、今まで自分がやってきた麻雀とは全然違うスタイルだったので。それが「かっこいい」と思ったし、その麻雀の方が面白いと思います。
――過去には明石家さんまさんが、じゃいさんと麻雀を打つことをラジオで話されていました。
じゃい さんまさんとは遊んでいただいているという感じで(笑)。
――サイバーエージェントの藤田さん(同社前代表取締役社長、現代表取締役会長)とも打たれている。
じゃい (Mリーグの)リーグ戦をやってましたので、社長とも何度も打ってます。
――さんまさんや藤田さんはそれぞれの業界で「大物」と言われる方々です。麻雀のスタイルに表れることはあるのでしょうか?
じゃい さんまさんは意外な感じです。どちらかというと、“堅実”なタイプ。守り寄りですね。藤田さんは“バランス”、イメージ通りの麻雀という感じですね。
――お2人とも攻めるタイプだと思っていました(笑)。
じゃい 全然違いますね。でも、麻雀において、その人の立場とか偉さとかって全く関係ない。言ったら“ハンデのない戦い”じゃないですか。それは面白いですよね、やっぱり。それぞれ個性もあるし、4人が4人違う個性が混ざり合っての対局というのは、どんな人とやっても面白い部分ではありますね。

――じゃいさん自身も勝負強いかと思いますが、著名な方で「この人すごい勝負強い」と感じた方はいますか?
じゃい いるんでしょうけど、あんまり意識はしたことないですね。
――じゃいさんは、駆け引きはするけど、あまり他人に左右されない。
じゃい そうですね。人読みとかはすると思います、人の特徴だったり性格だったり性質だったりを見抜いたりとか、自分なりに感覚で感じ取ったりとかするのは割と得意だと思います。
ただ、見た目とか名前とかはあまり興味ないので。あんまり覚えるのも得意じゃないんですけど(笑)。でも、その人がどういうタイプかっていうのは、別にギャンブルに限らず割と得意だったりします。
――競馬に一緒に行くような先輩や後輩はいますか?
じゃい あんまりいないですね。基本は一人なので。僕は割と一人が好きなので。
――その方が集中できるからですか?
じゃい いやぁ、なんですかねぇ。コミュ力がないのか、求めていないのか分からないですけど。以前、競馬の番組で仕事をした競馬記者さんに「じゃいさんって、海外にお友だちとかいるんですか?」って聞かれたんですけど、「いや、日本にもいません」って答えて、微妙な空気になりました(笑)。もうそんなレベルです。
――どこまで本当なんですか?(笑)
じゃい あんまり“友だち”の概念もよく分からないし。たまに知り合いから「いま、じゃいさんの友だちだっていう人と飲んでるよ」って連絡がきて、名前を聞いてみると「いや、誰か分からない」みたいな(笑)。友だちと思われているならいいんですけど。人それぞれなので、感覚が違うのかなと。
――覚えられていないその方がちょっとかわいそうな気がしますが(笑)。
じゃい まあまあ、申し訳ないです(笑)。
――関係性で言うと、さんまさんは分かりやすく後輩という立ち位置です。藤田さんに関してはどのような関係性でしょうか?
じゃい 藤田社長と麻雀を打つときは、4人とかはあまりないですよ。12人とか16人とか、大会とかリーグ戦みたいな感じが多いですね。他にも人がいっぱいいるという感じです。
――とはいえプライベートな場になりますが、皆さん黙々と打つんでしょうか?
じゃい という人もいるし、しゃべりながらやる人もいるし。そこは自由。
――じゃいさんはどちらでしょうか?
じゃい 僕はね、黙々とやっちゃう方なんですよ。自分の悪いところでもあるんですけど。しゃべることを忘れちゃうというか、集中しすぎちゃう。
――さんまさんも、やっぱりしゃべらない?
じゃい さんまさんはしゃべります(笑)。
――愚痴や文句などが多いのでしょうか?
じゃい いやいや、楽しそうな感じですね。そこは普段と変わらないです。
粗品との“100万円勝負”で大爆笑 「負けてる人を見るのが一番笑える」
――競馬はお一人でやられるとのことでしたが、(霜降り明星の)粗品さんのYouTubeに出演した際、大きな話題となりました。じゃいさんと真逆で、粗品さんは「生涯収支マイナス」を売りにしています。あのスタイルを初めて見たとき、どう感じましたか?
じゃい 「楽しいな」って思いましたよ。ある意味うらやましいですよね。やっぱね、僕もそうなんですけど、何が一番面白いか、何が一番笑えるかっていうと、“負けた人を見る”のが一番笑えるんですよ(笑)。これはね、もう本当に申し訳ないですけど。それが一番面白いですよね。
昔、高校生の時にゴルフ場でキャディーのバイトをやっていたんです。そこそこ良いゴルフ場だったので、お金持ちばかり来るようなゴルフ場でした。男性4人組に付いたんですけど、一人の方がバンカーに打ち込んだんです。で、打つんですけど(バンカーから)出ないんですよ。8回くらい打って出なくて、僕はもうずっと笑いをこらえてる。で、やっと出て反対側のバンカーに入ったときに、爆笑してしまって(笑)。「本当にすみません! すみません!」って。
そういう失敗とか、負けている人はなんか笑っちゃう。そういう意味では粗品も笑っちゃいますね。あれだけ負けている人なので。

――キャディーさんはバンカーから出せない人に対して、イライラしている方が多いと聞いたことがあります。
じゃい そうなんですかね。僕はやっぱり人の失敗とか人の負けとかはとにかく一番のツボなので。性格は悪いですけど。どうしても笑ってしまいますね(笑)。
――YouTubeでは、お互いの予想に対して、自腹の100万円を賭ける企画を実施。どちらもハズレでした。
じゃい 自分のお金で粗品の予想に乗ってハズれたのはあれでしたけど、自分の予想で粗品がハズしたときは、やっぱり笑いをこらえるのに必死でした。こらえられなかったですけどね。あの動画は過去一番くらい見ていただいて、「面白い」というお声をいただきました。本当に粗品のおかげです。
――新しい競馬の楽しみ方を垣間見た気がしました。
じゃい そうですよね。リスクでかいですけどね。100万円を失うんで(笑)。
――粗品さんも的中しないことが多いですが、2024年に的中した際は約2400万円の払戻金を一括で寄付しました。そうしたかっこよさも感じさせます。
じゃい なんだろう…、なんか全て計算されてるんじゃないか? 負けることすら計算されてるんじゃないか?って感じちゃう部分もあります。
粗品もYouTubeで軽く「じゃいさん、助けて」って動画で言ってたことがあるんです。「これ、いくら税金持っていかれるんだろう?」みたいなことを提起してくれたことがあって、それも粗品に感謝しています。

――じゃいさんも粗品さんも、ご自身の成功や失敗、勝ち負けを人のために使おうとします。なぜ、そのようなことができるのでしょうか?
じゃい 勝ち負けより大事なもの、プライオリティーがお金じゃないような気がします。笑いだったりエンターテインメントだったり、そういうのがあるんじゃないですかね。
――根底にあるのは「人を楽しませること」?
じゃい と思います。だから、僕は自分が当たるより視聴者の方が当たる方が嬉しいです。
税制問題、そして人生 「困難のない人生なんて面白くない」
――現在、たくさんの人たちと色々と取り組んでいると思います。今後、じゃいさんは何をしていきたいと考えていますか?
じゃい もちろん競馬税制、おそらく税制が変わるとしたら公営ギャンブル全般変わると思うんですけど、この税制を変える。どういう形で変えるかは、今後の話し合いになるんでしょうけど。やっぱりユーザー側、競馬ファンだったり公営ギャンブルファンが納得いく形で、不幸な人や二重課税をなくしていきたいなと。
IRとかも含め、税金でおかしなものがあると思うんですよ。とにかく、国の闇を徐々になくしていきたいなと。理想はですよ。こういう活動をしていると色々な情報も入ってくるので、どうしても黒い部分も目に入る。そういうものがなくなって「日本をより住みやすい、より良い国に」。最終的にはそこですね。

――海外では「HARD THINGS(ハードシングス)」というビジネス書籍が注目されています。経営者が困難に直面したとき、それをどう乗り越えてきたか?がテーマになっています。現在、“税制の問題”という大きな困難に立ち向かい、多くの方々の思いも背負っているじゃいさんにとって、困難を乗り越えるために大切なこと、そして「ハードシングスを乗り越える力」とは何でしょうか?
じゃい むしろ、「困難のない人生なんて面白くない」と思います。窮地を楽しめるかどうかで、その人の人生は変わると思うんです。僕は今、右手が動かないんですよ、神経の問題で。でも、それすらもポジティブに。これによって障害を持った方の気持ちが少しでも分かるようになるし。右手の大事さも分かるし、でも左手は動くから左手で何とかしようとも思えるし。その窮地をいかに考えて、いかに楽しむかだと思う。別に同情されるようなことでもないし。それすらも楽しむ。
税金のこともそうですけど、窮地に立たされたり、困難に遭ったときに凹んだりするんじゃなくて、どう乗り越えるかが人生の楽しみだと思う。とにかく「楽しむ」ということだと思います。
――最後に、凱旋(がいせん)門賞が10月4日に開催されます。武豊騎手が乗るメイショウタバルの予想をお願いします。
じゃい もちろん、応援はしていますけど…。多分買わないでしょうね、日本馬は。日本で(凱旋門賞の)馬券を売っている以上、過剰人気になる可能性が高いので、海外の馬。まだ予想はしていないので、分かりませんけど。
――武騎手もなかなか難しいですか?
じゃい いやぁ、(日本馬と海外馬では)適性が全然違うんでね。当日の天気とか馬場状態とかもあるでしょうし。それによって結果は変わってくると思う。メイショウタバルが勝つイメージはないけど、応援はしているけど馬券は買わないと思います(笑)。

インタビュー・文/加藤聡 内外タイムス編集部
《プロフィール》
じゃい(渡辺隆広) 1972年3月20日生まれ、神奈川県出身。お笑いトリオ「インスタントジョンソン」のメンバーとして活動。芸能界屈指のギャンブル好きとして知られ、特に競馬では独自のデータ分析を駆使した予想を展開。高額配当を的中させた経験も持つ。2022年には競馬の払戻金をめぐる税務上の問題を公表し、競馬ファンの税負担のあり方に問題提起。その後、一般社団法人「未来の競馬税制を考える会」を立ち上げ、競馬における税制の見直しを求める活動にも取り組んでいる。






