「枝野さんは排除された」皇室典範対応めぐり立憲リベラル系が孤立 沖縄知事選も「立憲の終わりになる」の危機感
国会最終盤のヤマ場の1つ、皇室典範の改正をめぐる審議が大詰めを迎え、立憲民主党系議員の間に溝が生まれている。衆院では中道改革連合で左派として知られる有田芳生氏など4人が採決を棄権し、参院では立憲が反対に回る。国の根幹にかかわる議論の過程で生まれた不協和音は、収まりそうにない。
中道の立憲系と参院に残る立憲の中で、今回の改正に反対の声が根強かったのは、旧宮家の男系男子を養子として皇室に迎えることを可能にする「養子案」が盛り込まれていたからだ。立憲の元代表、枝野幸男氏は「天皇制を破壊しかねない」、立憲の蓮舫参院議員も「長く皇族を離れ、今の皇室典範で禁止される養子を認めることが『国民の総意』と私には見えない」と早くから反発していた。
枝野幸男氏、高市首相に「『嘘でないこと』を証明する必要があります」指摘に賛否
だが、中道は公明系議員が養子案に前向きだったこともあり、最終的には小川淳也代表ら党執行部が、養子案を含めた改正案に賛成することを決めたのだった。
「枝野さんをはじめ、立憲のリベラル系は排除された。こんなに大事な問題なのだから、中道執行部は落選中とはいえ、丁寧に立憲創設者である枝野さんにも根回しすべきだった。枝野さんの声も聞いていたらまとまらないと思ったのだろう。立憲系議員や落選者たちの間に禍根を残してしまった」(中道関係者)
一連の対応で深まった溝は、中道・立憲・公明の合流協議にも影響を与えそうだ。
現在、中道など3党は今後のあり方について協議中。①3党を解党したうえで新党を結成、②立憲と公明を解党し、参院議員も地方議員も中道に合流、③地方議員は立憲と公明に残ったまま、参院議員が両党を離党して中道に入党、④3党が存続したまま国会での統一会派を結成するなどして連携――といった4案が検討されている。
こうした案について中道の立憲系落選者は「皇室典範改正も含め、ここまで違いが際立ってしまうと、参院議員も地方議員も含めて立憲系・公明系の全員が一緒になる①を完全に実現するのは無理な話だろう。とくに立憲のリベラル系は公明系と一緒になれないのでは」とぼやく。
公明との路線の違いが顕著になりつつ、それでも関係がはっきりしないまま漂流する立憲のリベラル系勢力。そんな立憲のリベラル系にとって「存在意義が問われる事態になりかねない」(前出の落選者)のが、9月の沖縄知事選だ。立憲は玉城デニー知事を推すが、公明は自民系候補を支援。中道は板挟みになり、態度を明確にできていない。
「中道の立憲系議員たちも公明との関係をふまえ、玉城氏の応援に腰が引けている。今は玉城氏が有利と言われているが、自民が締め付ければ逆転されるのでは。リベラルが強い沖縄の知事選で負けてしまっては、立憲の終わりだ」(同)と危機感を強めている。
2017年、希望の党立ち上げの中、小池百合子都知事の「排除いたします」の一言に対抗して枝野氏が創設した立憲。リベラル系議員が中心となって集い、野党第一党としての存在感を発揮してきたが、中道から「排除」され、有権者からも見放されてしまうのか。正念場は続く。
文/中村まほ 内外タイムス






