「奈良のシカ」の頭数が過去最高に「新たな対策が必要ではないか」との声も
16日、一般財団法人奈良の鹿愛護会は奈良公園に生息している国の天然記念物「奈良のシカ」についての頭数調査を行った。
報道などによると、この日の調査にて奈良のシカは1687頭が確認されており、前年の1465頭から200頭以上増えていたことがわかった。
奈良のシカは奈良公園が管理しているわけではなく、あくまで公園内に住む野生動物である。温暖化や環境破壊が進んでいる現在、野生動物の繁殖は喜ばしい側面もあるが、奈良県民としては大きな悩みもあるという。
それは頭数が増えすぎたことによる環境被害である。奈良の鹿愛護会発表のデータによると2008年から2016年までシカの頭数は1100頭前後とおおむね安定傾向にあったが、2017年以降は1200~1400頭以上と急激に生息数を増やしており、奈良公園の外にも新たな生息地ができている可能性が高いという。
事実、今年3月に大阪市に突然現れたシカは約30キロ離れた奈良公園から歩いてきた個体とされており「奈良公園を抜け出すシカ」は着実に数を増やしていると見て間違いない。
奈良公園のシカは国の天然記念物以前に「神の使い」ともされており、捕獲および殺処分はできないが、あまりにもシカによる農業被害がひどいため裁判にまで持ち込まれたケースはある。これは1979年にシカによる農作物の被害を受けた農家が、公園内の春日大社と奈良の鹿愛護会を相手に損害賠償を求めたものである。
この裁判は1985年に和解し、奈良公園内の防鹿柵の設置などの対策につながったが、シカの生息数が増加した現在では防鹿柵の効果はわずかなものになっており、奈良県内では「新たな対策が必要ではないか」「より強固な柵や管理体制を構築するべきではないか」といった声が相次いでいる。






