「ジョン万」が商標登録で地元困惑報道 名称「囲い込み」過去にも
NHKのコンテンツ制作を行うNHKエンタープライズが、「ジョン万」というワードの商標登録を行ったことで、高知県土佐清水市が困惑していることを高知新聞が報道し、話題になっている。
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2028年放送予定である大河ドラマのタイトルとなっている「ジョン万」。NHKエンタープライズは、これまでにも「光る君へ」など大河ドラマのタイトルを商標登録している。特許情報プラットフォームによると、「ジョン万」は2025年8月15日に出願され、2026年6月3日に登録されていた。
しかし、この「ジョン万」は、大河ドラマの主人公として描かれるジョン万次郎こと中濱萬次郎ゆかりの土佐清水市や高知市でもともと親しまれていたワード。ジョン万次郎がアメリカに滞在していた際、アメリカ人から「ジョン・マン」という愛称で呼ばれていたことに由来する。
たとえばジョン万次郎の出身地である土佐清水市には「ジョン万ロード 中ノ浜大橋」という橋があり、高知市の老舗製菓メーカーは「ジョン万エンケレセ」というお菓子を販売している。大河ドラマで描かれるとはいえ、実在の人物の愛称であることもあり、地元からは驚きや困惑が聞かれていると報じられた。
「そだねー騒動」や「のまネコ」バッシングも
一方、こうした名称を囲い込むように商標登録をして明確な反発を受けた例もある。多くの人の記憶に新しいのが、「そだねー」騒動だ。
「そだねー」は、2018年の平昌冬季五輪のカーリング女子で史上初となる銅メダルを獲得した日本代表(LS北見)が使って流行語となった言葉。しかし、この「そだねー」を、第三者である北海道の北見工業大学生活協同組合や六花亭製菓株式会社などが商標登録出願を行った。
しかし、もともと方言である「そだねー」を、第三者が独占しようとしたということで多くの批判が集まる事態になった。中には自主的に取り下げた企業もあったが、あくまで日常的な会話表現であり、特定の商品を識別する機能がないなどとして、最終的に登録には至らず。
また、2005年にも、社会現象となっていた「のまネコ」をエイベックスが取引先の音楽事務所を通じて商標登録しようとし、最終的に取り下げる騒動が起こった。もともと「のまネコ」は、当時の2ちゃんねるで親しまれていたアスキーアート「モナー」にインスパイアされて制作されたFlashが発端。これを商標登録しようとしたことで、「コミュニティーが育てたキャラクターを大企業が独自キャラとして扱おうとしている」と大バッシングが起こる事態に。
結局、エイベックス側は商標を取り下げ。しかし、騒動が過熱する中、2ちゃんねるでエイベックス社員に殺害予告が書き込まれるほどの騒動に発展した。
2022年には、動画投稿者の柚葉氏が、動画ジャンルとして既に広く使われていた「ゆっくり茶番劇」を商標登録し、年間10万円の使用料を求める方針を発表したことで、投稿者や視聴者から強い反発が起きた。
その後、商標権者は権利を放棄し、2022年6月に登録が抹消された。さらに、ニコニコ動画を運営するドワンゴが無効審判を請求し、2023年には無効審決が確定したため、商標権は法律上、初めから存在しなかったものと扱われることになった。
商標制度は、商品やサービスを他社のものと区別し、事業者が築いた信用や消費者の利益を守るための仕組みだ。しかし、地域やコミュニティーで以前から親しまれてきた名称を特定の企業や個人が出願すると、「共有財産の囲い込み」と受け止められ、反発を招くことがある。
ただし、商標登録は名称そのものをあらゆる用途で独占する制度ではない。「ジョン万」についても、地元の既存の活動や商品開発にどのような影響があるのか、またNHKエンタープライズが利用範囲や許諾条件をどう説明するのかが、今後の焦点となる。






