Netflix「ダウンタイム」で話題の美容業界、ドラマより10倍ドロドロな“闇”…脂肪吸引で死亡した例も
松岡茉優主演のNetflixシリーズ「ダウンタイム」が9月17日の配信以来、大きな反響を呼んでいる。
美容整形業界を舞台に美を追求する人々の葛藤を描いた今作は、同14日から20日までのNetflix国内週間ランキングの番組部門で初登場1位を記録している。
医療監修を担当したのは高須クリニック。同院の高須幹弥氏は、全8話を視聴した上で自身のYouTube動画にて劇中の設定や業界の裏側を解説しつつ、作中の描写と比較して、現実の美容外科業界は「10倍ドロドロしている」と語っている。
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ドラマを機に改めて浮き彫りになったのが、“美容業界の闇”について。とりわけ、現場で深刻視されているのが、技術面での成熟度を欠いたまま患者の執刀にあたるケースの増加だ。
初期研修を終えた直後に形成外科などの基礎を積むことなく美容分野へ進む「直美」と呼ばれる医師が増えたことで、知識や技術が不十分なまま施術が行われ、失敗や術後のトラブルが頻発している。
2023年4月には、大阪市内の美容クリニックで顔の脂肪吸引を受けた男性が翌日に死亡。適切な観察や医療措置を怠ったとして、30代の担当医師が業務上過失致死容疑で書類送検されている。
また、ドラマで描かれていたような、医療倫理を揺るがす陰湿な手口や違法行為も存在。指名料を取りながら麻酔で患者が眠っている隙に別の医師へ差し替えるゴーストオペレーターの横行や、無資格者による違法な施術がそれだ。
こちらも2024年6月に静岡県島田市の美容クリニックにおいて、医師免許を持たないエステティシャンに医療用レーザー脱毛を行わせたとして院長らが医師法違反の疑いで逮捕・起訴され、有罪判決を受けた事例がある。
倫理的な議論を呼ぶ「キッズ整形」
さらに、患者の判断を狂わせる情報操作も横行。不都合な書き込みを専門業者に依頼して削除させたり、架空の好意的な口コミを量産したりするサクラ工作やステマ行為だ。
厚生労働省の「医療機関ネットパトロール」の報告によれば、2023年度に確認された医療違反広告の約半数にあたる2888カ所が美容医療に関するものであった。インフルエンサーに報酬を支払って、リスクを伏せた体験談風PRを投稿させる手口などに対し、国や自治体による規制・取り締まりが強化されている。
ビジネスを優先するあまり倫理的境界線を越えてしまう過剰な集客・勧誘手法も目につく。格安の体験広告等で来院させた後に別室で長時間強引な勧誘を行い、高額契約を結ばせる手法だ。
国民生活センターや法務省の発表によると、数十万〜数百万円の高額ローンを強引に組まされるトラブル相談が急増しており、特定商取引法の改正によって美容医療契約にもクーリング・オフ制度が導入されたものの、依然として被害相談や報道が絶えない。
また、倫理的な議論を呼んでいるのが、未成年をターゲットにした「キッズ整形」やそれを話題化させる炎上商法だ。二重術や脱毛などを親の同意のもとで受ける子どもが増加する一方、発育途上の身体への影響や親の価値観の押し付けといった懸念の声は根強い。
批判を集めやすい分野だからこそ、あえてSNS等で話題を拡散させて知名度を上げ、集客につなげようとする過激なビジネス手法も物議を醸している。
高須氏の動画を視聴した人からは、「美容業界の裏側を知って驚いた」「高須先生の解説まで見ると怖くなった」「広告だけで選ぶとヤバそう」と、警戒する書き込みが見られる。
一度足を踏み入れると引き返せなくなるリスクをはらむ美容医療の世界。ドラマを見るにつけ、受診者はこれまで以上に慎重な選択をする必要がありそうだ。






