熱分解炉にゴミを投入される再生資源抽出装置 =平良大浦、宮古環境保全センター

廃棄物を再生資源に ゴミから燃料抽出実験 過熱水蒸気で熱分解

 環境対策処理プラントを開発・製造・販売する大阪のワンワールド・ジャパンは2日、平良西原の宮古環境保全センターで再生資源抽出装置の実証実験を行った。漁網や農業用廃プラスチック、漂着ゴミなどを過熱水蒸気で熱分解して再利用できる油分と炭を抽出。同社は廃棄物を再生資源として燃料や発電への利用、埋め立てゴミの減容、また分別・洗浄が不要なため経費や労力の削減などにつながるとPRしている。
 同社では「再生資源化へのチャレンジ」として、島内で排出されるゴミや産業廃棄物、海洋漂着ゴミを「集積」「焼却」「埋め立て」という従来の方式から、「集積」「分別」「再資源化(燃料化)」を試みる。燃料化できるものから再度「熱源」とし、または電力として島内エネルギーの自給率向上への貢献を目指す。総合商社の双日などが協賛する。
 実証実験は午前8時から行われた。再生資源抽出装置に農業用のシートや漁網、漂着ゴミが熱分解炉に投入された。ボイラーで沸かせた蒸気をさらに加熱し、最大約600度の過熱水蒸気でプラスチックなどは油分、有機物は炭に熱分解。約6時間後には油分が抽出され、宮古のゴミの油化率などを調べていく。3日は廃タイヤを使った実証実験を行う予定。
 再生資源抽出装置は▽燃焼しないためダイオキシンやCO2などが発生しない▽混合ゴミをそのまま投入して処理できるが、分別すれば再生資源の質向上が可能▽分別や処理コストを大幅に削減でき、廃棄物の減容により最終処分費用の削減や埋立地のスペース確保にも貢献できる│などとしている。
 関連会社で装置を製造したワンワールドの福田雄三代表は「いろんなゴミが混ざった状態でも処理でき、油化と炭化を一緒にできる。汚れたままでも処理できるので分別や洗浄の費用を削減できる」と特徴を説明していた。

熱分解によって抽出された油分

関連記事一覧