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【福田淳の対談闊歩】高須克弥(第3回)フリーメイソンにはアメリカ人のルートで面接に行った ブラザーだから攻められることもない

最終回は、今後、不可欠になると言われているAIについて、ビジネスの世界で酸いも甘いもかみ分けた経験から自身の考えを語った。私生活では2012年に「フリーメイソン」に入会。秘密のある結社として有名な組織にどのようにしてコンタクトを取ったのか。また、これまでの半生を振り返り、困難な状況をどのようにして乗り越えてきたのか、高須節のアドバイスを若者に贈る。

福田 そんなスキャンダラスな話がある一方で、僧侶をやるとか、基金を設けて災害があったら援助するとか。高須先生がやっていることは、ずっと人に対する愛がありますよね。

高須 人に対する愛はもともと持っているんです。生き物全てに対して優しいんですよ。だから、人体実験も嫌なんです。人体実験を一番やっているんだけど、全部自分の体にやっているからね。人にやったら鬼畜の所業ですよ。

福田 幼少期の環境とか、教育が良かったのでは?

高須 そうかもしれないですね。でも、全然違う人たちがいろいろなことをいっぱい教えるから、都合の良いところだけ(を抽出して身に付けた)。

福田 高須先生は斬新なことに挑戦してきました。波風が立つこともあったかもしれないけれど、達成して今ここまでこられています。「これからどうしよう」って考えている日本の若者に、何かアドバイスありますか?

高須 何もありません。好きにやったらいいの。だってジジイの説教なんて大体役に立たないですから。

福田 でも、これだけの経験を積んだ人の一言は重いんじゃないですかね?

高須 みんながやっていることの“逆張り”をしていれば成功者になれます。

福田 よく分かります。僕も大体逆らうようなことをやるとうまく行きます。いいアドバイスですね。

高須 まあ、死屍累々(ししるいるい)になりますけどね。受精するときの精子みたいなもので、突破してたどり着いたやつが勝利者です。

福田 全てにおいてチャレンジされていますが、失敗されることはないのですか?

高須 失敗が面白いんですよ。いきなり僧侶になっても何も面白くない。面白いか、面白くないのが全てなんです。

福田 これからAIの時代と言われていますけれど、高須先生はどう思われますか?

AIにはイノベーションがないから商売のチャンス

高須 AI時代こそ商売のチャンスですよ。AIはトロいからね。今までの持っている情報をただ出すだけ。クリエーティブなことはできないからね。AIは、過去の積み重ねの上澄みをつないで出していくのみ。全く違うところから“バーン”と出てくるのが本当のイノベーションだから。

福田 そうですよね。整然としているから奇想天外な人にとっては苦手かも。でもAIがトロいってのは名言ですよね。

高須 すごいトロいですよ。ただ情報をため込んで、それを処理したものを出すだけなんだから。

福田 スローモーションに見える先生のスピード感から見たら、かったるくてしょうがないかも。

高須 僕、最初に(美容整形の診療所を)開業した時、AIでやっていた。コモドール社の「PET」ってコンピューターが入っていて、まだマイクロソフトなんかなかった時代。IBMは細かいことができなくて。だからPET使ってね、患者のどこを治したら良いか聞いてみましょうって。

福田 AIがトロいって言うのは、ちょっと印象に残りましたね。ここで編集部の方から質問があるということで。

編集部 高須先生は2012年に秘密のある結社として有名な「フリーメイソン」に入られたそうですが、なぜ入会されようと思ったのでしょうか?

高須 そのことについては、いくらしゃべっても大丈夫なの。田舎の高須病院を作った時に、村の名士たちが入る「ロータリークラブ」ってところに入れられたの。30歳の時かな。歌を歌ったり、ご飯を食べたり、いろいろ面白いことをやるんですよ。

「これはどういう人が作った組織ですか?」って聞いたら、ポール・ハリスっていうアメリカ人が作ったんだけど、フリーメイソンの落ちこぼれだった。フリーメイソンの難しい教義とか儀式についていけないため、それを大衆化しようとしたの。一般人を入れるための開かれた組織がロータリークラブだった。

フリーメイソンにはアメリカ人のルートで面接に行った

高須 そこに入りたいと思ったんですよ。ところが入り方が分からない。

アメリカに行くと美容整形の仲間たちがフリーメイソンだったりして、いっぱいいる。僕も君たちのところに入りたいって言うと、「簡単に入れる。だけど、そこはアメリカのフリーメイソン。自分の“ロッジ”しかダメ。日本の入り方は分からない」と。

いろいろやってみて、電話番号は分かるけど、かけても電話に出ない。そこで横田基地に英語で電話してみた。そうしたら連絡が取れて、分かったことがあった。最初に日本に入ってきた時、「日本人が入らないんだったら、設立を許可する」っていう条件でフリーメイソンができた。だから、日本人は入ってなかった。

日本もアメリカ人ばっかりだから許可された。日本が戦争に負け、マッカーサーが進駐軍で来た。彼はフィリピンのフリーメイソン。フィリピンのフリーメイソンの母体として、日本のフリーメイソンが設立された。

当時は米軍ばっかりだった。途中で日本人も入れておかなければまずいってことになったんだけど、本音を言えば入れたくない。それでどうしても断れない偉い人、鳩山一郎とか有名な人たちが入っているんだ。僕の時はアメリカ人のルートで入って、面接に行った。

いろいろな教義を守らないフリーメイソンはお取りつぶしになる。ミカドロッジっていうのが京都にあるけど、そこの「ウィシュブルマスター」って幹部に割と早い段階で僕がなった。フリーメイソンの組織ってヤクザの組と一緒なの。グランドロッジって本部はあるんだけど、みんな一つずつ独立した組織がいろいろなところにある。

そこの組長たちが集まってきてグランドマスターを選ぶ。組長なんですよ。組長になったらね、誰もそいつをやっつけない。もう、お互いのブラザーだから。だから僕は誰にも攻められない。本当の教義は身内だけのことだから教えないけど、こういう話はいくらやっても誰も怒らないということです。

女房、おふくろが立て続けに亡くなった時が一番つらかった

編集部 これまでの人生を振り返って、一番苦しかった、つらかったという高須先生の「ハードシングス」は何でしょうか?

高須 女房が死んだ時。女房が死んだ時におふくろが同時に死んじゃったの。それで家にいた犬も死んじゃったの。賑やかな家だったんだけど、いきなり独居老人になってしまった。 あれが一番つらかった。

編集部 その困難にどのように打ち勝ったのでしょうか?

高須 別に苦しくない。身内が全部死んじゃったっていうのはね、堪えるだけだよ。

編集部 人生の先輩から、今、困難に向き合っている人に何か一言アドバイスをいただけますでしょうか。

高須 ケースバイケースだから。まあ楽しむんですよ。僕、昨日、名古屋で炎天の中ゴルフをやっていたんだけど、みんなすごく気をつけていても熱中症で倒れる人が結構多くてね。でも、ああいう時ってすごく楽しいんですよ。もし、僕がここで死んだとしても誰にも迷惑をかけるわけでもない。

本当にね、逆境を楽しむことが僕は好きなんですよ。「これはすごくラッキーなこと。面白いことがまた起こりそうだ」って思う。だから、そいつをすごくつらいことだと思うと、本当につらいんでしょうね。

労働は苦労だとか言うじゃない。その言葉がみんなをだましているんだと思う。働くのは苦労でも何でもない。“喜働”だと思う。働けることは楽しい。喜びの上に金ももらえる。尊敬もされる。

福田 いいことしかないですね。 スーパーポジティブ思考ですね。

高須 搾取されていると思った瞬間、人生は地獄だもの。

福田 そうですね。気の持ちようですね。

高須 だって、あの炎天下で金を払ってね、玉を打ってさ。誰も褒めてくれなくて。バカじゃねえかと思うんだけど、自分が楽しいと思えば楽しいですよ。あの後のスイカはすごくうまかったもん。

福田 スイカを食べるために苦行をやっているのかもしれない。カオスを楽しんでらっしゃる高須先生、これは深掘りすれば10時間ですよ、本当に。

《プロフィール》
高須克弥(たかす・かつや)1945年1月22日、愛知県生まれ。医学博士。美容外科「高須クリニック」院長。東海高校、昭和大学医学部卒業。同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中からドイツやイタリアなどに研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。「脂肪吸引手術」を日本に普及させた。江戸時代から続く医師の家系。2010年に紺綬褒章を受章。著書に「私、美人化計画」(祥伝社)、「ここが違う!高須克彌の美容整形」(KKベストセラーズ)、「ブスの壁」(新潮社、西原理恵子共著)など。

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