南静園の永続化へ法改正を 公明議員団が視察、意見交換 遺構保存や自治組織維持で
公明党の竹谷とし子代表代行や党ハンセン病問題対策本部の谷合正明本部長ら衆参両院議員団が2日、市平良島尻の宮古南静園を訪れ、入所者や退所者、自治会運営関係者らと意見交換を行った。療養所の急速な入所者高齢化に伴う自治組織の維持や、園の存続保障、教会をはじめとする歴史的建造物の保存に向けた課題について直接聞き取りを行い、将来構想の実現に向けた国レベルでの支援と法整備の重要性を確認した。
視察に衆参院議員らが参加し、意見交換では宮古退所者会会長の知念正勝さん、ハンセン病と人権問題を考える会共同代表の亀浜玲子さんらが対応した。
冒頭、竹谷代表代行は「国による人権侵害という大きな歴史を教訓として後世に残し、入所者の尊厳が守られるよう関係省庁とも連携して課題解決に取り組みたい」と述べた。
亀浜さんは、入所者の高齢化と減少が深刻な影を落としている現状を報告。1931年に開設された南静園の入所者は現在25人で、平均年齢は91・6歳に達している。入所者単独での自治会維持が困難となったため、2016年から退所者や外部有識者(人権ネットワーク宮古)を交えた「自治会運営委員会」を発足させ、生活・医療面の要望取りまとめや園との定期協議を続けている実態を説明した。
懇談の中で焦点となったのが、療養所の「永続化」と遺構の保存。2008年に制定された「ハンセン病問題基本法」に園の永続化が明記されていない点の指摘があり、最後の一人までの在園保障や医療体制の維持、歴史的建造物の保存を担保するため次期通常国会に向けた議員立法による法改正を要望した。
また、歴史的構造物の保存は、宮古島市と園による将来構想検討協議会で具体的な保存策が議論されている。同所が戦時中に激しい空爆を受けた歴史を踏まえ、戦争被害や隔離の記憶を語り継ぐ遺構として納骨堂などの維持、活用も求められている。
さらに島内に暮らす約30人の退所者や地域医療との連携についても報告された。病棟の一部(4床)を地域に開放して宮古病院からのリハビリ患者を受け入れるなど地域医療との共生を図っている現状も伝えられた。
谷合本部長は、全国の療養所を回る中で得たことを踏まえ「入所者のみならず退所者にとっても永続化をどう位置づけるかが極めて重要。地域との共生や歴史の継承を含め、実効性のある立法化を目指して力を尽くしたい」と語った。
意見交換後は納骨堂花を手向けて犠牲者の冥福を祈り、ハンセン病歴史資料館では説明を受けた。
視察後、竹谷代表代行は「国による人権侵害の歴史のみならず、戦争によって甚大な被害を受けた歴史を持つ場所であることを改めて実感した」と話し、園内の展示や関係者の話を通して現状と課題を把握し、次期通常国会に向けた法改正への対応などに強い意欲を示した。



