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嘉数市長(中央)と表彰状を受け取った下地さん(右から2人目)ら =20日、市役所

【台風9号】暴風警報下に緊急分娩、母子救う 医療関係者4人に表彰状 市、離島の妊産婦避難へ課題

 宮古島市(嘉数登市長)は20日、7月上旬の台風9号に伴う暴風警報の発令で伊良部大橋が通行止めとなるなか、伊良部島での緊急分娩(ぶんべん)に駆け付け母子の安全確保に務めたとして、助産師や看護師、宮古病院の産婦人科医ら4人に市長表彰状を贈った。過酷な悪条件化で関係者の連携により無事に新しい命が誕生した一方、台風など災害時における離島妊産婦の安全確保に向けた行政・医療体制の課題も改めて浮き彫りとなった。

 表彰状を受け取ったのは助産師の下地亮子さん、看護師の宮國勝子さんと譜久原夏姫さん、宮古病院産婦人科医師の石川裕子さんの4人。
 関係者によると当時は、台風9号の接近に伴い猛烈な風雨で伊良部大橋が通行止めとなったことから伊良部島での緊急分娩となり、場所には医療設備や専用機材がそろっていない環境での出産を余儀なくされたという。
 下地さんは「原始的な分娩対応だった(周囲が緊迫する中でも)赤ちゃんが動くことだけに集中しよう」と心がけて母親に声をかけ、宮古病院の産婦人科医と電話で連携を取りながら対処したと振り返った。
 「赤ちゃんが生まれる力」を信じて処置を施し、尽力により元気な赤ちゃんが誕生した。「頑張って上手に生まれてきてくれた赤ちゃんに感謝したい」との声も聞かれた。
 嘉数市長は「強い意思と経験のもと、落ち着いて対応していただいた。市民を代表して感謝申し上げたい」と謝意を示した一方で、「今回は良い偶然が重なったが、台風常習地帯である離島自治体として想定しきれていなかった事後検証の課題がある」と語った。
 石川医師も「今回は無事に成功したが本来院外での分娩は危険を伴う」と指摘。暴風警報が出そうな段階で対象となる妊婦を全件把握し、あらかじめ宮古本島側へ事前に移動・滞在してもらう仕組みや避難施設での受け入れ体制の構築が急務であると強調した。
 この台風9号は、多良間島付近を通過した後に北上しながら進路を東寄りへ変えたため、宮古島市下里で最大瞬間風速42.7メートル(11日午前10時18分)を観測するなど各地に爪痕を残した。 
 宮古島市では今回の事案を教訓とし、今後も医療機関、消防との連携を密に一層強化した上で、台風接近時における妊産婦の事前避難・体制構築を迅速に進めていく方針だ。

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