イオン系スーパー2030年度までに100店舗閉鎖へ 「元ダイエー」の転換は会社を成長させられるか
イオン傘下で「カスミ」や「マルエツ」などのスーパーを統括するユナイテッド・スーパーマーケットホールディングス(以下U.S.M.H)が、2030年度までに100店舗を閉鎖する方針を掲げた。老朽化や採算、地域の人口動態などを踏まえて対象を選定、地方・郊外の店舗が中心となる可能性が高いという。
2026年3月~8月は32億円を超える営業赤字を計上。前年同期間はおよそ1.7億円の営業利益を出していた。決算発表と同時に発表した業績予想の修正では、通期の営業利益を100億円から90億円減額し、10億円へと引き下げた。
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予想通りの着地でありながら、営業利益率はわずか0.09%。赤字ギリギリの水準だ。
同社は2024年に首都圏を中心に展開する「いなげや」を連結子会社化した。規模拡大に伴う共同仕入れや物流の効率化などが期待されていたが、成果はまだ十分とは言えない。今期上期には、グループの本部機能集約で11億円、物流効率化で約1.4億円の効果を計上したものの、全体の収益悪化を食い止めるには至っていない。
U.S.M.Hは売上高が伸び悩んだ要因の一つとして、競合、業態間競争の激化を挙げた。食品販売をめぐる競争は、従来のスーパー同士の争いにとどまらない。
西友を買収したトライアルホールディングスは都市型の小型ストア「トライアルGO」の出店を進めている。「ドン・キホーテ」を運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは、従来よりも食品を強化した「ロビン・フッド」を今年4月にオープンさせた。
「業務スーパー」は2026年7月末時点の店舗数が1144店舗で、1年で32店舗の純増。「コスモス薬品」のような大手ドラッグストアチェーンも、食料品を強化している。
スーパーは食料品を安く販売するだけでは十分な利益を出すことが難しくなっており、いかに高付加価値化できるかが重要になっている。そうした中、U.S.M.Hは惣菜や弁当などデリカの強化を打ち出していた。
成果を出す「ダイエーの生まれ変わり」
その象徴的な存在が今年3月に発足した「イオンフードスタイル」だ。「ダイエー」や「マックスバリュ関東」などの転換を急いでいる。
カスタムサラダ専門店の「クリスプサラダワークス」と、食品スーパーで初めてコラボレーション商品を開発するなどデリカを中心に商品力を高めている。
転換店では成果も出始めた。3月に改装オープンした「フードスタイル三田店」は、会社が示した改装後実績で売上高が前年の約1.5倍となった。生鮮・デリカを強化した300坪モデルへの転換7店舗では、改装後の平均売上高が前年の1.2倍、客数が1.15倍になっている。
だが、会社全体では伸び悩む。今期上期の既存店客数は前年同期比1.8%増えたものの、客単価が1.4%下がり、売上高は0.4%増にとどまった。一部の転換店で成果を出しているが、その成果が全体に広がっている状況にはないのだ。
イオンフードスタイルの平田炎社長は、上期は従来の各屋号に応じた商品をそれぞれの店舗に供給していたと、決算説明会で語った。下期は新しいセンターから配送、棚割の統一が具体的に進み、仕入れ統一による値入れの向上が数字として見えてきたという。
店舗規模や形態に応じた販促の見直しにも言及している。ただ、仕入れや配送の効率化を進めるだけで、継続的な集客と利益の回復につながるかは、なお見極めが必要だ。
100店舗の閉鎖は、不採算店の負担を減らす一方、売上基盤の縮小も伴う。残る店舗の収益力を高めなければ、持続的な成長にはつながらない。
デリカの強化で来店動機をつくり、統合によるコスト削減を利益として残せるか。一部の成功モデルをグループ全体の収益改善へと広げる実行力が、問われている。
文/不破聡 内外タイムス






