「自爆営業」や同僚の悪口もパワハラ認定に 細分化、多様化するハラスメントに企業が取り組むべき対策とは
パワーハラスメント(パワハラ)をめぐって新たな動きが起こっている。厚生労働省は、今月から防止指針を改正し、従業員がノルマ達成などのために、自社の商品やサービスを自腹で購入する「自爆営業」がパワハラに該当する可能性があるとした。職場におけるハラスメントは多様化しており、企業には正しい理解と対応が求められている。
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厚生労働省によれば、「優越的な関係を背景とした言動」「業務上必要かつ相当な範囲を超えたもの」「労働者の就業環境が害されるもの」の3つの要素をすべて満たす場合、パワハラに該当するという。今月1日から適用される指針には、「事業者が労働者の自由な意思に反して自社の商品やサービスを購入させる行為」がパワハラに該当すると明記。この行為は「自爆営業」と呼ばれ、保険業界やアパレル業界などを中心に問題となっていた。
一方、1日には広島高裁が他人の悪口もパワハラに該当すると判断した。元県職員の女性は、上司から面前や電話でほかの職員の悪口などを聞かされていた。2022年3月ごろから2023年1月中旬ごろまでほぼ毎日続き、聴力の低下や適応障害などを発症。女性は退職し、県に対して330万円の損害賠償を求めていた。
広島地裁は女性の請求を退けたが、広島高裁はこうした行為がパワハラに該当すると判断。県に対して22万円の支払いを命じた。判決では、優越的な地位に基づき、業務上の必要性がないこと、長期間にわたっていたことなどが重視された。
厚生労働省は、パワハラ対策として、「相談窓口の設置」や「事実関係の確認」「被害者への配慮のための措置を適正に行う」などを挙げている。相談窓口を設置する際には、担当者をあらかじめ定めることや、外部機関に相談への対応を委託することなどを求めた。また、事実関係を十分に確認できない場合には、第三者からも聴取するなどの措置を講じることとしている。
職場でのハラスメント対策の重要性はますます高まっている。一方、最近では正当な行為に対して過剰な反応を見せる「ハラスメントハラスメント」という言葉も登場するなど、ハラスメントは細分化、多様化している。企業はさらにハラスメントに細心の注意を払いつつ、すべての労働者が安心して働ける職場環境を整備していくことが重要になってくるだろう。






