林芳正氏、石井準一氏を“排除”…総裁選で林・石井・石破・小渕の非主流派連合も
9月16、17日に行われた党役員人事と内閣改造。高市早苗首相は麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長、木原稔官房長官といった党と内閣の骨格を維持し、入れ替えは小幅なものにとどまった。
そんな中で注目を集めたのは、総務相を務め、ポスト高市候補として名前が挙がってきた林芳正氏と、高市首相との折り合いが悪かったとされる参院幹事長・石井準一氏の交代だった。
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林氏は昨年の総裁選で3位に終わり、次期総裁選への出馬意欲を隠していない。周囲にも「今回は閣外に出て、総裁選で高市首相と戦うべきだ」との主戦論が強かった。
「タカ派で知られる高市首相と、比較的穏健な林氏ではもともと距離がある。高市首相から禅譲されることはないし、65歳という年齢を考えてもチャンスは多くないのだから、思い切って非主流派として1年後の総裁選を目指したほうがいい、と林氏自身も考えているのだろう」と自民関係者が語るように、今後は自由な立場で地方を訪れ、総裁選での党員・党友票の掘り起こしを目指すとみられる。来年春に行われる統一地方選でも、各地に応援に入り、地方議員との関係づくりにいそしむことになりそうだ。
そんな林氏を閣外に出すことは、総裁選再選を目指す高市首相にはリスクだが、首相自身には自信もあるのではないか、とみる向きもある。
「高市首相にとっては、消費税減税にしてもほかの政策にしても、党内の反発を押し切ってでも政策を進めるという姿勢をアピールするためにも、非主流派の存在は必要になっている。だからこそ総裁選の脅威になるかもしれなくても、林氏を閣外に出すことについて腹をくくったのでは」(全国紙政治部記者)
参院自民の大物・石井準一氏も「怒っている」
一方、今回の人事で注目されたもう一人の人物が、参院自民の大物・石井準一氏だ。石井氏は参院幹事長として参院自民をまとめ、野党とのパイプも強固だったが、今年度の当初予算を年度内に成立させることができなかったとして、高市首相の不満を買った。
「石井氏は立憲民主党の蓮舫氏からも『準ちゃん』と呼ばれるほど野党との信頼関係もあり、党内でも40人ほどの参院議員を自身のグループに入れるなど存在感を示してきた。参院人事は従来、首相でも手を出せない『聖域』とされてきたが、高市首相の怒りを買った石井氏が参院幹事長から外されたことで波紋が広がっている。参院の独自性を重んじる石井氏も、今回の件を怒っている」(参院自民関係者)
高市首相から「排除」された形となった林氏と石井氏。いま永田町では、この高市流人事によって非主流派がまとまるのではないか――。そんな憶測も流れている。
石井氏は2018年の総裁選で当時首相だった安倍晋三氏の再選が有力視されるなか、石破茂氏を支持。ほかにも、高市首相が進めた消費減税に反発していた小渕優子氏とも近い関係だ。
一方、総裁候補の林氏は石破政権で官房長官を務め、石破氏の信頼も厚い。
こうした関係から、「林氏、石井氏、石破氏、小渕氏といった高市首相と距離のある面々が1年後の総裁選に向けて団結していくのではないか。林氏は前回総裁選の議員票で高市首相を上回ったうえ、石井氏や小渕氏は旧茂木派の中で影響力もある。まとまれば高市包囲網になりうる」(自民関係者)。そんな見方が出始めている。
閣外に出て勝負をかける林氏が勝つか。高市首相の自信の通り、非主流派との違いを見せつけて支持を集め再選できるか。高市流人事が総裁選に与える影響と、その結末はいかに。
文/中村まほ 内外タイムス






