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受験者半減で警察官が足りないのに…「怖い」「きつそう」の壁を破る滋賀県警1.5倍増のSNS術

地域の安全を守る警察官が、いま深刻な採用難に直面している。警察庁の「警察白書」によると、全国の警察官採用試験の受験者数は10年前の9万1635人から、2025年には4万1077人まで減少。半分を下回る水準となった。

東京都を管轄する警視庁でも2024年度の受験者は約8000人で、2010年度の約3万人から大幅に減っている状況だ。さらに2025年の警視庁の通報件数は約214万件と、統計開始以降で最多を記録。現場が担う責務が増す一方で、働き手の確保が難しくなっているのである。

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警察官を目指す人が減っている理由の一つとして指摘されるのが、仕事に対するイメージだ。ネット上でも「危険な人物と戦わないといけないのは、ちょっと苦手です」「犯人を見つけて走りで追わないといけない。ハードそうだと思います」といった声が上がる。

そんな中、注目されているのが滋賀県警の採用活動だ。全国の警察官採用試験の受験者数が長期的に減少するなか、「滋賀県警察採用SNS」を展開し、X(旧Twitter)、LINE、インスタグラムを使い、警察業務や活動状況、イベントや説明会の情報まで発信。さらに採用に関する質問も受け付けている。

つまり、求人情報を一方的に流すのではなく、「どんな仕事なのか」「どんな職場なのか」「受験するときに何を知っておけばいいのか」をSNS上で確認できるようにしているのだ。

同アカウントでは、刑事や白バイ隊員などの密着・インタビュー動画で実際の働き方をイメージしやすいよう発信。警察官の仕事をひとくくりにせず、具体的な職務内容や進路を見せることで、ばくぜんとしたイメージを正確な情報に置き換えていくわけだ。

SNSの強みは、その情報を若者が普段使っているスマホやタブレットの画面に直接届けられる点にもある。紙の募集案内を探して読まなくても、投稿をきっかけに採用情報へたどり着ける。警察官を最初から志望している人だけでなく、「少し気になる」という潜在層にも接点をつくれる格好だ。

さらに、募集ポスターに地元出身の人気漫画家・森田まさのりを起用するなど、若者の目に留まりやすい工夫をすることで、警察という職業を知るルートを複数用意したのだ。

その結果、滋賀県警では受験者数がおよそ1.5倍に増加したという。もちろんSNSだけが増加の要因だと断定することはできないが、採用活動改革の一端を担ったことは間違いなさそうだ。

全国的に受験者数が減少している以上、試験制度や勤務環境、待遇、キャリア形成など幅広い課題への対応も必要になる。ただ、滋賀県警の取り組みから見えてくるのは、まず「知らない」を減らすことの重要性ではないだろうか。

「怖い」「きつそう」というばくぜんとした先入観に対して、仕事内容、職種、働き方を具体的に見せる。SNSを単なる募集広告ではなく、警察官という仕事を知るための窓口として使う。この発想が、受験者増という結果につながった一因とみられる。

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