中国の海洋調査船「東方紅2」

中国海洋調査船が離脱 久米島沖EEZで無断活動 海保が警戒継続

 第11管区海上保安本部は21日、久米島西のわが国排他的経済水域(EEZ)内で日本の事前同意を得ずにワイヤーのようなものを海中に延ばして活動していた中国の海洋調査船「東方紅2」が、同日午後5時19分ごろに地理的中間線を北側へ航過し、EEZ外へ離脱したと発表した。同船は16日の確認以降、20日まで連日にわたり無断調査を行っており、巡視船が無線で即時中止を要求するとともに厳重な警戒監視を続けていた。

 同本部によると、巡視船が16日午後1時53分ごろ、久米島の西約57海里(約106キロ)のEEZ内において「東方紅2」が船尾からワイヤー状のものを海中へ引き延ばして航行しているのを確認している。海上保安庁の巡視船は「わが国の同意を得ない海洋の科学的調査は認められない」と無線で警告を行い、調査の中止を求めた。しかし同船は要求に応じず、20日にかけて同海域にとどまり、断続的に調査機器を海中に投入する特異動向を継続した。
 その後も巡視船による監視と警告が続けられた結果、21日午後5時19分ごろに同船が地理的中間線を北側へ向けて航過したことを確認。同本部は今後、同船にさらなる特異動向が認められなければ対応を警戒態勢の維持へと移行する方針だ。
 沖縄周辺のEEZ内における中国海洋調査船の無断活動は、今年3月30日に約10ヶ月ぶりに確認されて以降、急増している。8月に入っても15日に久場島北沖で「向陽紅21」が確認されたほか、17日には波照間島南南東沖で「向陽紅03」が捕捉されるなど、先島諸島から久米島沖に至る広大な海域で中国船による無断調査が相次いぎ、今年に入り確認された主要な事案はすでに10件を超えており、過去最高水準のペースとなっている。
 中国側は従来の尖閣諸島周辺にとどまらず、久米島や波照間島沖など太平洋側に位置する海域へも活動範囲を広げており、海洋データの収集を目的とした調査の常態化を図っているとみられる。
 同本部は引き続き周辺海域での警戒および監視を徹底する。

関連記事一覧