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「山で遭難しても救助はタダ」税金で賄われる山岳救助に批判 有料化には法改正が必要なワケ

毎年8月11日は「山の日」で国民の祝日だが、今年も夏山シーズンを迎え、各地の山は登山客でにぎわっている。ただ、近年は登山ブームを背景に遭難事故も増えている。

警察庁によると、2025年の山岳遭難の発生件数は前年より176件多い3122件だった。遭難者は同266人増の3623人で、統計が残る1961年以降で最も多かった。うち332人(前年比32人増)が死亡・行方不明になっている。遭難者全体の半数近くを60歳以上が占める。

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山での遭難救助では、警察の山岳警備隊や消防の山岳救助隊などが捜索・救助を行う。警察や消防といった公的機関の救助隊が捜索・救助にあたった場合は費用がかからない。現行法(警察官職務執行法や消防法)に費用徴収の規定がないためだ。救急車を利用したときの搬送費が税金で賄われるのと同じで、捜索や救助にかかった費用も税金で賄われる。

ただし、自治体条例による例外もあり、埼玉県のように、防災ヘリコプターの出動に対して手数料(5分あたり8000円、1時間で9.6万円)を徴収する条例を設けている地域もある。

この無料の山岳救助に対し、税金のムダづかいではないかという批判が大きくなっている。それは、悪天候にもかかわらず山に入ったり、十分な装備なしに登山したりする無謀な登山者の遭難が深刻な問題になっているからだ。

「自業自得」の遭難者に費用を負担させるべきとの声が大きくなっているが、山岳救助を有料化する際の課題は何か。「弁護士JPニュース」の中で荒川香遥弁護士(弁護士法人ダーウィン法律事務所代表)はこう解説する。

「救助活動の費用を自己負担させるには、その旨を定めた法律または条例の規定が必要です。なぜなら『法律による行政の原理』といって、国民に義務を課するには、法律の根拠が必要だからです(憲法41条、65条等参照)。しかし、そのような規定は存在しません」

増える外国人遭難、問われる登山者の自己責任

批判の声が大きくなったのは、外国人旅行者が増える中、雪山で遭難する外国人が増えたことも理由としてある。今年2月の報道だが、北海道警察によると、バックカントリーでの遭難者は北海道内で今シーズン58人に上ったが、そのうち約8割にあたる48人が外国人だった。

アルピニストの野口健氏は、無謀な登山や明らかな準備不足による山岳遭難について、救助費用の有料化や請求を行うべきだと一貫して強く主張している。無料で救助されるという意識が登山者の緊張感をなくし、安易な遭難を招いていると警鐘を鳴らしている。

イタリア・ドロミーティ山脈で、「危険」「登山道閉鎖」という警告を無視して山に入った60歳の英国人登山者が遭難し、救助されたものの、その代償として1万4225ユーロ(約245万円)の救助費用を請求されたことがあった。野口氏は昨年8月、この記事をリポストして「救助費用としては妥当ではないでしょうか。レスキュー隊は命懸けで救助に向かう。そのことを忘れてはならない」とつづった。

文/横山渉 内外タイムス

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