通報が激増する「令和の暴走族」実態 特攻服なし、万バズ狙い、レディース最多、外国人も
夜間に響き渡る排気音に、周辺住民からは睡眠を妨げられるという切実な訴えが相次いでいる。
警察庁の統計によると、全国に4万人以上の構成員が存在した80年代~00年代初頭に比べ、現在は10分の1以下となった。厳しい取り締まりや組織の衰退に伴い、従来の組織型暴走族は激減しているはずだが、警察への苦情や110番通報の件数は右肩上がりに増えているという。
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例えば兵庫県内では、昨年1年間の通報数が5417件に達し、直近10年間で最多を記録。これほど通報が増えている背景には、走る側の目的や集まり方の変化が挙げられる。
現代の若者を動かしているのは、スピードへの執着や社会への反発ではなく、「目立ちたい」という単純な承認欲求。その象徴が神戸市のメリケンパークである。
夜景が美しく、無料の駐輪場があるこの公園は、夜になると多くのバイクが集まる“映えスポット”と化す。現地に集う若者たちはチームに所属しておらず、特攻服を身に着けているわけでもない。SNSを通じて集まった3~5人程度の小規模な集団であるケースが大半で、再生回数や「いいね」の多さが仲間内でのステータスとなることから、愛車の動画をTikTokやInstagramに投稿し、「万バズ」を狙って注目を集めることが目的だ。
こうした行動が連鎖し、特定のエリアが自然発生的な集合場所として定着。組織的な統制や明確なルールは存在せず、個々の集団によるゲリラ的な走行が繰り返されることで、全国的な暴走行為の増加を招いている。
さらに、注目されるのが女性暴走族、いわゆる「レディース」の増加や、外国人の危険走行だ。女性の構成員は2024年に過去5年間で最高を記録したとの報告もあり、趣味のコミュニティー感覚で爆音走行に加わる者が増えているという。また、昨年には海外のネット上に日本の首都高速道路を時速265キロという速度で走行する動画が投稿されて物議を醸したが、海外で拡散されることで、日本の公道を危険走行の舞台として扱う風潮が生まれることも懸念されている。
ネット上でも「夜中に爆音で走り回るせいで子どもが起きてしまう」「SNSでバズるために違法な暴走をするなんてありえない」といった市民の怒りや、犯罪行為に対する認識の甘さを指摘する声が目立つ。
現代のゲリラ的な暴走は取り締まりが極めて難しい。以前のようにはっきりとしたリーダーがいれば、その人物を検挙することで組織を解体できたが、現在のSNSを介したコミュニティーには統括する者が存在しないため、ひとつの集団を検挙しても、ネットを通じて新しいメンバーが次々と自然発生的に現れる。実態がつかみにくく、イタチごっこの状態が続いているのが実情だ。
特攻服は消えても、「暴走」そのものがなくなったわけではない。承認欲求とSNSが結びついた「令和の暴走族」問題は、これからさらに見過ごせない社会問題となっていくだろう。






