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全東信の破産で地銀各行が債権の取立不能となる恐れ 飲食業界以外にも広がる波紋

飲食店を中心としたクレジットカード決済代行を手がける全東信が、6日に大阪地裁に破産を申請した。負債総額は1259億円とみられ、今年最大の大型倒産となりそうだ。

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その影響が早くも金融機関に飛び火している。東和銀行は全東信に80億円の貸付があり、そのうち59億円近くは担保・引当等で保全されていないという。2027年3月期に全額引当金等の処理を実施する見込みだ。

東和銀行は2027年3月期の純利益を55億円と予想している。1年分の利益が吹き飛ぶ計算だ。

他にも、三十三フィナンシャルグループは貸付金が50億円で、保全されていない金額が約27億円。島根銀行の保全されていない貸付金は8億円、高知銀行が9億円だ。

全東信は2021年ごろまでは、公式ホームページの主要取引銀行に三井住友銀行等のメガバンクの名が並んでいた。しかし、現在はその名が消えている。

全東信は2020年のコロナ禍で大打撃を受けた会社の一つだ。収益基盤の柱である飲食店が休業。収入が途絶えて借入への依存度を高めたようだ。

緊急事態宣言下において、多くの飲食店は時短協力金などを受け取ることができた。しかし、飲食店から収入を得ている全東信のような会社は対象とならない。コロナは特に外食の周辺サービスへの影響が大きかったのだ。

ダメ押しとなったのが、2024年に全東信の幹部社員が逮捕されたことだ。違法に契約したカード決済端末を飲食店に設置。店の経営者とは違う人物の名義でカード会社の審査を通し、店からキックバックを受け取っていた疑いが浮上したのだ。これにより、全東信は社会的な信用力を落とす結果となった。

資金繰り懸念に不祥事が加われば、メガバンクが逃げ出すのも無理はない。

ファクタリングに近い特殊なビジネスモデルの限界

全東信は飲食店などの利用者がクレジットカードで支払った代金を、カード会社よりも早く店舗に支払うサービスで提携先を増やしていた。表向きはクレジットカードの早期決済代行というサービスだが、売掛金を買い取って現金化するファクタリングに近い。

ビジネスの構造上、全東信はカード会社から入金される前に飲食店に支払いを行っていた。金融機関から十分な借入ができていれば問題はなさそうだ。だが、不祥事などで信用力が低下し、借入がしづらくなると資金繰りに窮するようになる。

飲食店は現金商売のため、入金が遅れるカードなどのキャッシュレス決済を好まない傾向がある。全東信はもともと大阪市内の飲食店の相互扶助を目的に設立された事業協同組合で、飲食店経営者にとって利便性の高いサービスだった。

さらに加盟店を拡大した背景には、信用力の低い風俗店をメーンターゲットとしたことが挙げられる。キャバクラやガールズバー、スナックなどの飲食店はカード決済審査が通らないことが多い。こうした業態の店舗を開拓し、加盟店ネットワークを拡大してきた。

日本飲食団体連合会は全東信の破産に関して、被害を受けた飲食店の支援策を整理。日本政策金融公庫のセーフティネット貸付の利用などによる救済方法を紹介している。

全東信の公式ホームページには、加盟店数が20万件超と記載されており、飲食店への影響は大きい。未払いとなっている立替金などが回収できなくなる可能性があるうえ、クレジットカードが使えないことで客離れを引き起こす懸念もある。飲食店の連鎖倒産もあり得る状況だ。

文/不破聡 内外タイムス

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