• 全国
  • ドローン攻撃からの防衛を提案 KLabは「キャプ翼のゲーム会社」から脱却するか
  • HOME
  • 全国
  • ドローン攻撃からの防衛を提案 KLabは「キャプ翼のゲーム会社」から脱却するか

ドローン攻撃からの防衛を提案 KLabは「キャプ翼のゲーム会社」から脱却するか

スマートフォン向けのゲームを展開する「KLab」の株価が6日に上昇し、一時ストップ高になった。この前日、KLabはアラブ首長国連邦の企業と、ドローンにまつわる覚書を締結したと発表。他者への攻撃を目的にしたドローンが飛来しても被害が発生しないよう、対ドローン防衛システムの導入を手伝うという。どのような製品を導入するか、どの企業に対するサービスの提供なのか一切伏せられている中で、思惑買いが先行した形だ。

国がディー・エヌ・エーのゲーム開発に15億円支援することへの違和感の正体

今回提供する「対ドローン防衛システム」は、飛来したドローンに対して電波妨害を実施し、無効化するなどの能力を有すると説明。特定の施設や人物などを狙った攻撃が発生しても、迎撃などの高度な技術を用いることなく、域内の安全を確保できるようだ。

これまでKLabは、祖業であるゲーム関連事業に注力してきた。2009年に企業として初めてのゲーム「恋してキャバ嬢」を配信した後、2011年には「キャプテン翼 〜つくろうドリームチーム〜」を、Yahoo!モバゲーなどで配信。2013年にはアニメなど複数分野で展開するアイドルコンテンツ「ラブライブ!」を扱ったゲームを手掛け、スマートフォンを用いたリズムゲームの先駆者としての地位を確立した。

だが、ここで説明したのは10年以上前の話、ここ数年KLabの業績そのものは伸び悩み続けていた。累計5000万人以上がダウンロードしたというラブライブ!のゲームを始め、自社で手掛けてきた作品の配信・運営を次々取りやめ、現在は海外での人気が高いキャプテン翼やBLEACHといった漫画コンテンツを活用したゲームで、売り上げを確保している。直近の決算でも売り上げの9割以上をゲーム事業が占めているというが、裏を返せばこれらのゲームの人気がなくなった時点で、会社は大きな岐路に立たされる。

もっとも、KLab自身はゲーム事業だけで企業運営を行うつもりはなかったようだ。カタログ通販の決済事業、音楽ライブなどのイベント事業、海外での和食展開、ベンチャー企業への投資などを次々展開していたのだが、いずれも現在は事業一覧の欄から消え、一部関連企業は清算されるなどしている。現在もゲーム企業を軸にしながら新規事業の展開を次々発表し、AI関連事業として高性能サーバーの導入、ビットコインなどの自動取引サービスをそれぞれ展開。ゲーム事業という大きな柱に傷が入らないうちに、次の収益源を探すべく奔走している。

ロシアによるウクライナへの侵攻以降、ドローンを用いた攻撃や防御、索敵などが活発に行われるようになった。KLabの発表では、世界のドローン防衛市場は6兆円規模と説明。一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会によると、2024年におけるゲームコンテンツの市場規模は31兆円を突破したというが、プログラミング知識がなくてもAIの活用で好きなゲームを作れるようになった現代において、ゲーム事業はレッドオーシャン。実際にドローンの開発・製造を行うわけではないからこそ、今のうちに先手を打って別事業への進出を決めたようにも見える。

近年は日本株界隈で知名度のあるインフルエンサーの影響を受け、相場操縦が疑われる「仕手株」として名前が浮上するケースが多かったKLab。国を守るという壮大なスケールの新事業は、ゲーム頼みになっている企業の収益にコミットし、新たな収益の柱になりえるのだろうか。

文/池田聖人 内外タイムス編集部

関連記事一覧