政府、デジタル遺言を創設 PCやスマホでの作成可能、押印も任意に
政府は6月17日、法務局で保管する「デジタル遺言」制度を新たに創設した。作成に時間がかかる遺言書をデジタル化で利便性を向上させることが目的。公布から3年以内の施行を目指す。
「デジタル遺言」は、パソコンやスマートフォンなどで作った遺言書のデータや印字した書面の保管を法務局に申請する。法務局の担当官がオンライン会議や対面で本人確認し、遺言者は全文を読み上げて真意に基づく内容であることを確認する。本人の死後、指定した人に通知されるという仕組みだ。データの預かり費用として1通3900円となっている。
「うちは財産が少ないから大丈夫」が一番危ない…税理士が相続の現場で見てきた現実
これまでは遺言書に押印がないと効力がなかったが、なくても認められ、押印は任意に変更された。
自筆証書遺言、公正証書遺言などの方式
遺言には、本人が作成する自筆証書遺言や公証人が作成する公正証書遺言がある。
自筆証書遺言は、記載内容が多い場合は時間がかかり、書き損じると書き直さなければならない。また、訂正する場合は民法に決まった方式で訂正する必要があり手間がかかる。2019年以降、財産目録に限りパソコンなどを使った自筆以外の作成もできるように緩和された。
公正証書遺言は、公証人に書類を作ってもらうもの。手数料は遺言書に書く財産の合計で変動し、500万円以下が1万3000円、1000万円以下が2万円、1億円以下が4万9000円となっている。作成には、証人が2人以上立ち会う必要もある。
遺言の方式の準拠法に関する法律は、1964年に制定された。自筆証書遺言や公正証書遺言の方式に従っている限り、法律上の効果が生じる。遺言書を作る条件は満15歳以上であること。
最も重要な役割は、遺産処分について被相続人の意思を反映させることにある。遺言に相続についての指定がない場合は、民法の規定に従って相続が行われる。
相続にまつわることだけに、直筆の場合は読みやすさや書き損じなどハードルが高いイメージがある。デジタル遺言の創設に伴い、書き直しや訂正が容易になった。終活を始める人たちの負担も少しは軽くなるかもしれない。
文/並河悟志 内外タイムス編集部






