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ビットコインはどこまで下落するのか…絶対に割らない「鉄壁の底値」とV字回復の可能性

また仮想通貨の冬が来るのか――。

2025年10月に過去最高値を叩き出したビットコイン(BTC)を中心とする仮想通貨市場が、今、深刻な下落トレンドに直面している。現在、市場を覆っているのは、「強烈な規制の波とマネーの消失」「大口投資家の裏切り」「はやりのAI株への資金流出」そして「アメリカの利上げ観測」という、逃げ場のない「四重苦」だ。

一体、仮想通貨の世界で何が起きているのか。 一般投資家が知っておくべき「ヤバい真実」をひも解く。

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【第1の苦】「無法地帯」の終わりと消えたギャンブルマネー

現在、世界中で仮想通貨に対する規制の網が急激に狭まっている。その象徴が、世界最大級の仮想通貨取引所「バイナンス(Binance)」の欧州連合(EU)からの撤退見通しだ。EUの新しい厳しいルールに対応できず、事実上の「追い出し」を食らった形だ。

日本国内でも対岸の火事ではない。金融庁からの度重なる警告により、日本の投資家が「海外の無登録取引所」にアクセスすることはほぼ不可能になった。合法な国内取引所である「バイナンス・ジャパン」も、暗号資産が金融商品取引法(金商法)の監督下に入り、2028年から分離課税が導入される新時代を見据え、2026年6月末に社長交代を発表。日本のルールに完全に従う姿勢をアピールしている。

この「お上(当局)の管理下」に置かれるコンプライアンス時代の幕開けがもたらした最大の副作用が、市場の取引量の激減だ。海外取引所が提供していた「元手の何十倍も動かせるハイリスクな取引(レバレッジ取引)」が規制で封じられ、ギャンブル的な資金が消滅。結果として現在の市場は買い手も売り手も少ない「板が薄い(スカスカな)」状態に陥っており、大口が少し売っただけで雪崩を打って大暴落(フラッシュクラッシュ)しやすいぜい弱な環境になっている。

【第2の苦】絶対に売らないはずのクジラ(大口投資家)が売り始めた恐怖

市場の心理を最も冷やしているのが、これまでビットコインを買い漁ってきた「最強の保有者」たちの変節だ。

代表的なのが、米国のマイクロストラテジー社という上場企業。彼らはトレジャリー企業(自社の資金運用として積極的に投資を行う企業)と呼ばれ、資金を調達してまでビットコインを買い増し続ける、「絶対に手放さない」ガチホ(長期保有)の象徴とされてきた。

ところが、同社が自社の財務事情(現金準備の強化など)のために、最大約2000億円相当のビットコインを売却する可能性を示唆し、実際にその一部が売りに出たのだ。「あの最強の信者ですら売るのか……」という事実は、一般の投資家たちに「下落の連鎖」を予感させ、パニック売りを誘う大きな重しとなっている。

【第3の苦】お金は仮想通貨から「AI」と「宇宙」へ大移動

2024年1月に米国でビットコインの投資信託(現物ETF)が承認されて以来、「これで機関投資家のばく大なお金が入ってくる!」と大いに沸き、長らく市場の強力なけん引力となってきた。しかし、現実は非情だ。6月の米国ビットコインETFからは約7200億円もの資金が流出し、上場以来最悪の成績となった。

逃げ出したお金はどこへ行ったのか? 答えは「AI半導体株」と「巨大な新規上場株」だ。 マイクロン・テクノロジーなどのAI半導体関連企業の業績が絶好調な中、投資家は「よく分からない仮想通貨」よりも「確実に成長するAI」にお金を移している。

さらに、イーロン・マスク率いる「スペースX」の巨大な未公開株の取引にもばく大な資金が吸い寄せられた。投資家のお財布には限りがある。今、仮想通貨は「旬を過ぎたアセット」として見放されつつあるのだ。

【第4の苦】アメリカの中央銀行が放つ「最後の一撃」

そして極めつけの逆風が、アメリカの金利だ。 市場は「今年は金利が下がる」と期待していたが、米連邦準備理事会(FRB)の態度は予想以上に厳しく(タカ派)、新たにFRB議長に就任したケビン・ウォーシュ氏の発言を見る限り、逆に「年内に利上げをするかもしれない」という観測すら浮上している。

ビットコインや金(ゴールド)は、持っていても利息を生まない。金利が上がる世界では、安全な米ドルや国債を持っているだけで確実にお金が増えるため、わざわざ価格が乱高下する仮想通貨に投資するメリットが完全に薄れてしまうのだ。

どん底か、それとも反発の兆しか?今後のシナリオ

これら四重苦が重なり目下、下落傾向は続いている。今後、アメリカで議論されている「仮想通貨のルールを明確にする法案(CLARITY法案)」がとん挫すれば、年金機構のようなお堅い機関からの新規資金も見込めなくなり、さらに絶望的な状況になるだろう。

だが、悪材料ばかりではない。「今がまさに大底だ」という見方もある。 海外の大手予測市場(ユーザーが結果にお金を賭けるサイト)の「Polymarket」では、55,000ドル〜60,000ドルのラインが「絶対に割らせない鉄壁の底値」だと予想する声が多数を占めている。足元の価格はまさにこの最前線での攻防だ。

さらに、過熱しきったAI半導体株のバブルがピークを迎えつつあるという指摘もある。もしAI株で大もうけした投資家たちが利益を確定させ、そのお金が「安くなった仮想通貨」に戻ってくれば、劇的なV字回復を遂げる可能性は十分に残されている。

今年の後半戦、ビットコインは55,000ドルの防衛線を死守できるのか。それとも奈落の底へ落ちるのか。投資家たちの息をのむような攻防は、まだ始まったばかりだ。

文/佐藤崇 内外タイムス

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