• HOME
  • 記事
  • 社会・一般
  • 悲惨な戦争繰り返さない 慰霊の日 恒久平和の実現誓う 市が全戦没者追悼式・平和祈念式 沖縄戦から79年
正午の時報で黙とうをささげる出席者ら =23日、未来創造センター・多目的ホール

悲惨な戦争繰り返さない 慰霊の日 恒久平和の実現誓う 市が全戦没者追悼式・平和祈念式 沖縄戦から79年

 悲惨な沖縄戦終結から79年目を迎えた「慰霊の日」の23日、宮古島市全戦没者追悼式および平和祈念式が未来創造センターで営まれ、遺族会関係者らが参列して犠牲者に哀悼の意をささげ、不戦と恒久平和への思いを新たにした。座喜味一幸市長が平和メッセージを読み上げたほか、川満俊夫市戦没者遺族会会長、下地小学校5年生の多和田旺誠くん、宮古総実高校1年生の石嶺恵歌さんも平和を希求するメッセージを朗読した。

みやこ少年少女合唱団が恒久平和を願い歌声を披露


 白百合と白菊を組み合わせて美しく飾られた祭壇を背に式辞に立った座喜味市長は「時の経過とともに戦争の体験や記憶の風化が懸念される中、この式典を通して決意を新たにし恒久平和の実現に向けてより一層努力していく」とあいさつ。
 平和メッセージでは「世界に目を向けると戦争や紛争が絶えず平和を脅かす問題に一人ひとりが平和を希求する強い意思を持つことが求められる」とし、「平和の尊さを後世へと伝え、恒久平和の実現に向けて積極的に取り組む」と誓った。
 このあと正午の時報に合わせ、参列者全員が静かに1分間の黙とうをささげた。
 多和田くんは「ぼくらの今を僕は生きる」、石嶺さんは「平和を守るために」と題した作文を発表。みやこ少年少女合唱団は「いのちの歌」「大切なふるさと」の2曲で平和を願い美しい歌声を披露した。
 式典に出席していた東仲宗根在住の下地信子さんは、「母は女手1つで自分を育ててくれた。父の記憶もなく、戦争の話を聞き見ると涙が出る」と頬に涙を伝えながら語ってくれた。生後まもない頃に出征した父親はブーゲンビル島で戦没したという。平和の礎(いしじ)や靖国神社にも父親の名前があり、御霊(みたま)に手を合わせに行ったとのこと。
 また、今回初めて要約筆記が行われた。守武大福祉部長は「全ての人が理解できるよう初めて取り入れた」と話した。要約筆記とは手話を主なコミュニケーション手段としない中途失聴者や難聴者に対して情報を伝える方法。
 障がい福祉課の時田葉子さんは「手話に4人、要約筆記に2人で担当している。市内には要約筆記の登録者は4人いる。研修や試験などもあるが、関心のある人は問い合わせてほしい」と話した。
 市福祉部障がい福祉課(℡73・1975 ファクス79・7832)まで。

関連記事一覧