(左から)砂川さん、平良桜さん、平良茜さんら宮古島市民が朗読劇を熱演した
=9日、マティダ市民劇場
市民13人が朗読劇熱演
宮古島の戦争証言を基にした創作劇「私の、そして、あなたの物語(せんそう)」が9日、宮古島市民13人が出演しマティダ市民劇場で上演された。沖縄県の文化を発信する「黄金(くがに)文化再発見」事業の一環として行われたもので、市民らの熱演に観客から大きな拍手が送られた。
戦争を体験していない世代に戦争の惨禍を伝えるため、宮古島での証言や市教育委員会が発行する「綾道・戦争遺跡編」を参考に劇を創作。応募で集まった市民らが台本を基に自分たちで演技案を考え、議論しながら創り上げた。
夜の漁で火を焚いていた漁師らが灯火管制のため逮捕されたことや、島に海軍飛行場を建設するため畑などが軍に接収されたこと、男性だけでなく女性や子どもまで飛行場建設の重労働に狩りだされたことなど、戦時中に宮古で起きた出来事を紹介しながら、戦況の悪化により飢えや病気に苦しめられていく島民の姿を描いた。
出演した平良中1年の平良桜さんは「今まで実感したことは無かったけど、戦争はこんなに悲しいことなのだと知れた」、同じく砂川春美さん(70)は「戦後生まれだが、両親などから話を聞き、貧しい時代も体験している。若い人に伝える劇に参加できてよかった」とそれぞれ感想を語った。
主催した劇団関係者は「皆さん信じられないほど演技が上手で素晴らしい舞台だった」と驚いていた。