宮古病院 地域医療支援病院に承認
県立宮古病院(本永英治院長)は県の承認を受け、今月から地域医療支援病院となった。今後は開業医からの紹介状のある患者に宮古病院が専門的な医療を提供するなど病診連携で役割分担を進め、同病院に集中しがちな負担を軽減することで地域医療の質を高めていく。県内の病院では11カ所目。これに伴い4月1日からは選定療養費が改訂され、紹介状がない場合の初診加算料などが引き上げられるため市民に理解を求めている。
25日、同病院で記者会見を行った本永院長は地域医療支援病院の機能について▽紹介患者に対する医療の提供(かかりつけ医等への逆紹介も含む)▽開業医との医療機器の共同利用▽救急医療の提供▽地域の医療従事者を対象とした研修の実施│を挙げ、「より良質な医療を地域に提供するため地域医療支援病院になった」と述べた。
本永院長は地域医療支援病院について「基本的に宮古病院は入院や救急、専門的な医療などを提供し、軽症や症状が安定した疾患などは開業医に診てもらう。その中で体調が悪くなり、急を要する場合などは紹介状を持って宮古病院に来てほしい。逆紹介状を書くなど2人主治医制のような形で患者を診ていくことになる」と説明した。
最も重要な点として開業医と宮古病院が役割を分担する病診連携を挙げ「コロナの場合もだが宮古病院ですべて抱え込み、集中することは負担が大き過ぎる。地域の医療はある特定の医療機関だけが担うのではなく、開業医や医療関係施設などと連携して今後起こり得る難局を、力を合わせて乗り越えることが究極の目的」と強調した。
一般病床200床以上の地域医療支援病院では紹介状を持参せずに受診する場合、診療費とは別に選定療養費の徴収が義務付けられており、初診加算料は医科5090円、歯科3300円、状態が安定して他医療機関へ紹介を申し出た後も同病院で受診した場合の再診加算料は医科2540円、歯科1520円。
負担の対象外は他医療機関等の紹介状持参、救急車で搬送され緊急な診療が必要な場合、各種公費負担制度の受給者、労災・公務災害での受診者、同病院の他診療科で受診中など。