宮古では25年連続で最高路線価となった西里大通り =平良西里

4.3%増、2年連続増加 西里大通り12万円 23年分路線価

 【那覇支局】沖縄国税事務所は3日、相続税や贈与税の算定基準となる2023年分の県内路線価(1月1日現在)を公表した。県内標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値は3・6%(前年1・6%)で9年連続の上昇で全国4位だった。宮古島税務署管内の最高路線価は25年連続で市平良西里の「西里大通り」で、1平方㍍当たり前年比4・3%増の12万円。底堅い店舗需要と観光客の増加によるアフターコロナを見据えたホテルの開業など投資需要が要因と見られる。増加は2年連続。


 地価公示評価員の仲本徹代表幹事は宮古の状況について「コロナによる行動制限からの観光客の回復は先行している印象があり、西里大通りを中心に人流が戻りつつある。店舗需要も強く、リゾート系を中心にホテル用地の取得需要もあって上昇したとみられる」と説明。その上で「インバウンド需要も回復しつつあり、投資需要も高まっている中で新型コロナからの回復が鮮明になっている」と話した。
 今後については「観光関連の伸びなど今の状況が続けばホテル不足から建設が続き、商業地の需要も継続すると考えられるので、右肩上がりを維持するとみられる。一方で、資源高や物価高、欧米の金利高による投資意欲の減退など不安な点もある」と話した。
 県内の最高路線価は02年以来22年連続で那覇税務署管内の那覇市久茂地3丁目の「国際通り」で、1平方㍍当たり前年比2・1%(3万円)増の145万円で、3年ぶりの増加となった。県内6税務署管内全てで最高路線価が上昇し、最も上昇幅が大きかったのは沖縄税務署管内の北谷町美浜の「町道美浜1号線」で前年比4・4%増の23万5000円。次いで宮古島管内の「西里大通り」の4・3%、北那覇管内の那覇市おもろまちの「那覇中環状線」の3・8%増の82万円、石垣管内の石垣市大川の「市役所通り」の15万円、名護管内の名護市為又の「名護バイパス」の7万1000円、那覇管内の「国際通り」となった。
 路線価は相続税や贈与税の算定基準となり、毎年1月1日を評価時点にして、時価の80%を目途に算出されていて、「路線価等」は国税庁のホームページで閲覧できる。

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