初めての航海に出港する新造船「フェリーたらまⅢ」 =平良港第4埠頭

新造船「たらまⅢ」就航

平良港―多良間島の定期航路で運航される新造船「フェリーたらまⅢ」の出発式と平良港第4埠頭に整備された物揚場の供用開始式が8日、同埠頭で行われた。多良間村、宮古島市をはじめ関係者が出席して新造船の就航と埠頭の整備完了を祝った。同航路では3代目となる「たらまⅢ」は接岸地をこれまでの第2埠頭北側から移転し、1日1往復で運航する。第4埠頭は大型化したフェリーに対応するため物揚場などを整備してきた。

就航と供用開始を祝ってテープカットする関係者たち

 式典は午前8時から行われ、座喜味一幸市長が「大型化する新造船に対応した岸壁の整備が課題となっていた。今回、第4埠頭の供用開始により生活路線であるフェリー航路の維持および安定的な海上輸送が確保され、さらなる地域活性化につながることを期待している。多大な尽力をした関係者に深く感謝し、平良港と『たらまⅢ』が宮古圏域の礎として発展し、両市村民に親しまれることを願いたい」とあいさつ。
 伊良皆光夫村長が「第4埠頭はターミナルからも近く利用者の利便性が図られ、安全性も確保されるものと期待している。離島における船舶は産業経済を支えるだけでなく、村民の生活や教育、文化、福祉の向上に大きく貢献してきた。今後は『たらまⅢ』がその役目を担っていく。建造に関わった全ての人に感謝したい」と式辞を述べた。
 「たらまⅢ」は多良間村が国の離島航路安定化支援事業を活用して建造し、多良間海運に貸与する。総トン数は499㌧、全長68.6㍍、幅11.8㍍と大型化している。旅客定員150人、乗員定員10人。車両は乗用車のみは26台、大型車なら8台搭載できる。航海速力は18.0ノット。可変式プロペラの採用で効率良く運航でき、エンジンの負担も軽減しているという。
 運航時間は平良港午前9時発―多良間島午前11時着、多良間島午後1時発―平良港午後3時着(日曜日運休)。貨物.自動車航送及びチケット販売受付所も第4埠頭に移転した。
 第2埠頭北側は隣接する岸壁に不定期だが海上保安部の巡視船等が接岸し、操船や荷さばきが手狭な状況なことから、新造船が大型化することに伴い第4埠頭前面にフェリーに対応した物揚場を整備した。
 また到着した多良間村普天間港では、くす玉を割って歓迎。多良間小体育館で就航記念式典が規模を縮小して行われた。

関連記事一覧