右側が被害を受けた海ぶどう
=高野漁港
大雨で海ぶどう被害 水槽の塩分濃度が低下
先月31日から1日の大雨の影響により、高野漁港の養殖海ぶどうに被害が出ている。水槽内の海水の塩分濃度が大幅に低下して出荷前の海ぶどうが溶けて商品に適さなくなっている。高野海ぶどう生産組合によると同漁港では大雨のたびに同様の影響が起きるが今回は特に被害が大きく、塩分濃度が戻らなければ被害の拡大も懸念される。
海ぶどうは収穫後、数日間養生してから出荷するが大雨の影響により、水槽内の塩分濃度が通常の3分の1以下に低下。濃度がほぼゼロのときもあった。栽培中の根付いたものと違い、収穫したものは弱く濃度の低い水が入ると溶けてしまうという。多い生産者では100㌔以上の被害が出ている。
ある生産者は「塩分濃度が戻れば4~5日ぐらいで回復できると思うが、大雨のたびに塩分濃度が下がる。経営的にかなりきつい。何とかしてもらいたい」と話していた。
別の生産者は被害を受けた海ぶどうから少しでも商品にできるものを選別していた。「試しに選別するが、あすまで様子を見て弱らなければ出荷する」と厳しそうな表情で話し、「なぜここまで悪くなったのか。塩分濃度が低いままなら今育てている海ぶどうの成長にも影響して収量が減るかもしれない。一日も早く塩分濃度が戻らなければ相当影響が出る」と心配した。
同漁港で18年間、海ぶどうを養殖している長崎輝義さんは「大雨のときは塩分濃度が下がっていたが、今回は特にひどい。濃度がゼロに近いのは初めて。観光客が増えてこれからというときに」と落胆していた。
気象台によると降水量は平良下里では31日に261.5㍉、1日には123.5㍉が観測されている。