南西地域の防衛体制強化 第32回防衛セミナー 安全保障環境変化、インフラ整備説明
防衛省沖縄防衛局(村井勝局長)主催の「第32回防衛セミナー」が19日、市未来創造センター多目的ホールで行われた。第1部の「我が国を取り巻く安全保障環境と防衛省の取り組み」の演題で講演した川上直人氏(防衛省防衛政策局防衛政策課長)は「中国の軍事力強化、海空海域での活動拡大・活発化が日本の安全に深刻な影響を及ぼし得る事態になっている」と述べた。空白だった宮古島など南西地域の防衛体制強化に向けた陸自部隊の配備も説明し、在日米軍の駐留は抑止力の重要な要素の一つであると強調した。

安全保障環境の変化について川上氏は、ロシアによるウクライナ侵略は法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の根幹を揺るがす暴挙だと指摘した上で、中国は海上・航空戦略や核・ミサイル戦略を中心とした軍事力強化、尖閣諸島など東シナ海、南シナ海の力による一方的な現状変更を強めていることに対し「日本の安全に深刻な影響を及ぼし得る事態になっている」と警戒感を示した。
南西諸島における防衛体制の強化に関しては、沖縄本島以外に陸上自衛隊が未配備だった与那国島、宮古島に部隊を配備し、2023年の石垣島の駐屯地の開設により南西地域の陸自部隊の空白を埋めるべく計画してきた部隊配備が完了したと述べた。
厳しさを増す安全保障環境には、日米安保体制に基づく日米同盟が日本の防衛や地域の平和と安定に寄与する抑止力として十分に機能すると強調。在日米軍が緊急事態に迅速かつ機動的に対応できる態勢が平時からの抑止力として重要であると強調した。
また、自衛隊や海上保安庁が平素から必要な空港および港湾を円滑に利用できるようインフラ管理者との間で円滑な利用できる取り組みを設ける「特定利用空港・港湾」については、民生利用を主としつつ航空機・船舶の円滑な利用に必要な整備または既存事業の促進を図ると説明。空港は短期間の島外避難を必用とする国民保護の輸送能力を確保し、港湾は大型船舶を用いることで輸送能力を向上させると述べた。
質疑応答では、軍事力強化の危険性を指摘し「(周辺国と)軍事力がいらない平和外交し、しっかりと安定、安全な関係を結んでいくべきではないか」との質問があった。
これに川上氏は「平和外交は尊重している。ただし(諸外国は)実力のない相手の話は聞かない。(自国に)防衛力があり、さらにいえば情報力、技術力、経済力など総力を挙げて相手と組み合って話し合いで解決するのが外交である」と答えた。
第2部では、内閣官房内閣参事官の岩﨑林太郎氏と市防災危機管理課危機管理監の真栄田義史氏が登壇。それぞれ政府および宮古島市における国民保護の取り組みについて解説した。



