補助金取り消しに関わる代行業務の説明をする(左から)砂川副会長、平山専務理事、川満事務局長 =宮古島観光協会

会見開き再発防止へ改善誓う 観光協会 不手際で不信感招き、謝罪

 県が2022年度に実施した「観光事業者継続・経営改善サポート事業」で、市内11事業者を含む県内12事業者に総額約1100万円の補助金返還が求められた問題が発生。申請業務を代行した宮古島観光協会(吉井良介会長)は12日、会見を開き、平山茂治専務理事は「事業所とわれわれとの間に認識のずれがあり、説明不足は否めない。事務処理の不備でご迷惑をお掛けしたことを反省している。信頼回復に向けてしっかり体制を整え強化していく」と陳謝。今後の会計処理の適正化に向けた内部統制の強化を図る姿勢を示した。
 返還期限の21日を前に8日、臨時理事会を開いた同協会は、事業者への経済的負担を避けることを最優先に判断し、返還金全額を協会が負担することを承認。補助金返還に係る財源は過年度損失充当引当金と長期借入で賄い、関係事業者への請求は行わない方針を決めた。
 同事業は新型コロナや物価高騰で打撃を受けた観光事業者を支援する県の制度で、協会は市内15事業者の申請手続きを代行し、東京羽田での物産展参加を推進した。
 その際の費用は同協会が立て替え、補助金交付後に事業者から精算する覚書を交わしていた。23年6月以降、県から補助金が振り込まれたが、物産展参加事業者のうち11事業者について、23年2月末までとした期限内の精算が終わっていなかったとして、国の会計監査で指摘を受けた県は7月11日に市内事業者に対し交付取消予告通知をし、8月1日に正式な取消と返還請求通知を行った。
 さらに、物産展費用に関しても領収書にまつわる不手際が発覚し、これが会計監査で不備として指摘された。
 同協会は臨時理事会で、代行業務を担った責任から専務理事の平山茂治氏を報酬3カ月10%の減額、事務局長の川満正寛氏を14日間の停職(無給)とする懲戒処分を決定した。
 会見で砂川靖夫副会長が経緯を説明し、「県からの指摘については、事業自体は不正ではないが、事務処理に不適切な点が確認された。丁寧に説明できず、結果として不信感を招いたことをおわびする」と述べた。領収書については「事業報告書に原本を添付したあと、協会で保管したままにしていたことや、それが事後報告になったことが不信感につながったと認識している。理解を得られるよう努力しなかったのは、われわれの責任」と語った。
 覚書の取り扱いについては川満正寛事務局長が「借用書ではなく覚書にした判断や役員調整の甘さもあり、今後は事業内容に応じて体制を強化する」と説明。平山専務理事は「丁寧に説明する以外ない。協会のあり方をもう一度立て直したい」と述べた。
 同協会は「事務局のチェック体制を一層強化し、監事・執行部の監督を徹底する」としており、再発防止への決意を示した。

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