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開会あいさつを述べる手登根部長はじめ青年部実行委員ら =28日、伊良部公民館

徳洲会伊良部島診療所へ「ありがとう」 伊良部商工会青年部 地域支えた24年間を盛大に へき地医療を再び考える

 伊良部商工会青年部(手登根光彦部長)は29日、伊良部公民館で「地域を支えた24年間!ありがとう徳洲会伊良部島診療所感謝祭」を開いた。来賓に2代目院長の渡辺信幸氏、誘致関係者として本社の洌鎌敏一会長らが思い出を振り返ると共に名誉理事長の徳田虎雄氏の「命だけは平等だ」の理念を熱く語った。会場に訪れた島民らは地域医療を支えた同診療所への感謝に思いをはせ、診療所のないこれからのへき地医療について考える機会となった。
 同診療所は2000年1月1日に開所し、15年の伊良部大橋開通に伴い、国の離島へき地除外から責任者を常勤させることが条件とったことなど含め運営を続けることが困難となったため3月31日に夜間を含めた24年間の島内救急医療の役割を終えた。
 はじめに手登根部長が地域を支えた医療従事者への感謝がテーマであることを伝え、同感謝祭の実行委員長である宮城吉治さんの熱い思いから開催に至った経緯、宮古島および伊良部島の関係者らからの支援への感謝を述べ「楽しんでほしい」と主催者あいさつをした。
 同商工会の奥濱剛会長の代読で福島典子副会長が伊良部島に徳洲会病院を誘致するために当時の青年部が徳田名誉理事長の元を訪ねるなど奔走したことに触れ、「私たち島民にとっては人生のさまざまな場面で診療所のお世話になり、一人ひとりが思い出話があるのではないか。同診療所の功績に感謝し、今後の伊良部島の医療体制について知るきっかけになってほしい」と訴えた。
 洌鎌会長が「長女のひきつけがきっかけでこのまま伊良部島に住んで良いものかと悩んでいた」と誘致のきっかけを述べ、当時同青年部の部長を務めていたこともあり、「10周年記念として徳田先生へ講話依頼で直接会いに行き、伊良部島の場所から説明し、そこから開所へと歩んでいった」と振り返った。その中で洌鎌会長は「別の医療法人の誘致に動いており、同所での年内開院を目指し、伊良部島医療の継続にまい進している」などを語った。
 渡辺氏は2代目院長として01年から06年まで務めた。当時、5年間24時間勤務体制だったことで島民から徳洲会本部へ「渡辺先生を休ませてほしい」という声が上がったことや、「離島民は病気になっても治せないから病気になってはいけない現状」の打破に奔走したことなどを振り返り、「私は伊良部島の人が大好き。本当に愛している。そのためには病気にならない体の習慣づくりが必要」と自身が提言し続けている予防医学の検知から噛むダイエット「MEC(肉・卵・チーズ)食」について語った。
 会場外には多くのキッチンカーなどが並んだ。また、宮城実行委員長が地域包括支援センターに呼び掛け、伊良部島の医療体制へのアンケートなども行われ、島民だけでなく訪れた宮古本島の住民らも現状を知る機会となった。
 会場に訪れた前里添の60台男性は「渡辺先生に会いに来た」、池間添の70代女性は「いつも元気づけてくれた先生に会える機会はない。きょう渡辺先生に会えて元気になった」という声が聞こえた。

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