三線立てなどクオリティの高い製品が並ぶ =上野公民館1階・ホール

初日、400人超が来場 宮古矯正展 「クオリティ高くて安い」

 沖縄刑務所主催の宮古矯正展が上野公民館で開催され、初日の14日には400人以上が訪れる盛況ぶりを見せた。今回初の販売となった「南獄かりゆしウエア」をはじめ、受刑者らが制作した家具や革製品などを一堂に集め三線立てや革ベルト、下駄など目当ての製品を買い求めた。きょう15日午後3時まで展開する。
 矯正展は全国の刑務所の受刑者らが社会復帰時に必要な職業技能や知識を習得するために懲役の所定作業の中で製作した品々を販売するもの。刑務所での行刑に対する理解と協力を得ることを目的に開催されている。 
 展示販売された刑務所作業製品は、「とにかくクオリティーが高いのに価格が安い」と評判で、来場者の関心を集めた。
 革靴、ベルト、木工品、日用品など幅広い品目が並んだなかでも、人気を集めたのがバーベキューグリルなどのアウトドア用の金属製品。頑丈かつ実用的な作りに加え、手頃な価格設定で長蛇の列ができるほどの注目を浴びた。
 また、精巧に作られた守礼門の模型も販売。製作にはおよそ1カ月の期間を要し、受刑者が一つ一つの工程を丁寧に仕上げた逸品で、その完成度の高さに多くの来場者が足を止めて見入っていた。
 初販売となった「南獄かりゆしウエア」も注目の的。かりゆし協会の認定を受けた製品で、製作に携わるには、まずランチョンマットやティッシュスリーブなどの工程を経て段階的にスキルを習得する必要がある。縫製からアイロン、ボタン付けに至るまで一貫して手作業で行われており、軽くて通気性に優れた着心地の良さが魅力となっている。
 一方、部分洗い用石けん「ブルースティック」も例年通り好評だ。部分洗いに特化したこの石けんは、皮脂汚れや泥汚れ両方に強く、スポーツ少年団の母親らに愛用されている。テレビや雑誌でも紹介された実績を持ち、まとめ買いする姿も多く見られた。
 売上の一部は犯罪被害者支援団体への助成に充てられており、来場者は製品購入を通して社会貢献にもつながる仕組みに理解を示していた。
 沖縄刑務所の担当者は「受刑者が社会復帰を目指して技術を磨いてきた成果を、ぜひ手に取って感じてほしい」と話した。
 同展はきょうまで開催されているが、製品の数には限りがあり、人気商品は早い者勝ちとなっている。
 当日の問い合わせは同刑務所作業担当(090・1519・5248)まで。

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