仮契約を締結した下地理事長(左)と呉屋事務局長 =ホテルアトールエメラルド宮古島

伊良部島の医療復活へ 徳洲会とアカシア会が合意 来月末にも本契約

 市内のホテルで11日、医療法人徳洲会と医療法人アカシア会の下地晃理事長(城辺中央クリニック院長)による会合が行われた。今年3月末で閉院した伊良部島の徳洲会伊良部診療所に関する打ち合わせが行われた結果、双方同意し売買に関する仮契約を締結。1月末には本契約が予定されており、これまで懸念されていた島に住む医療が必要な住民への福祉、医療が復活する見通しだ。
 会合には沖縄徳洲会の呉屋斉仁事務局長をはじめ、本部関係者も参加。下地理事長に対し、契約内容の詳細が説明された。
 それによると徳洲会側は伊良部前里添にある敷地(1184・60平方㍍)および鉄筋コンクリート造の建物(1~3階計1286・27平方㍍)を現状有姿のままアカシア会への引き渡しに応じたとのこと。
 同診療所は2000年1月1日に地域住民らの要請もあり、離島へき地における地域に根差した診療所として開院。伊良部大橋開通に伴い、夜間を含めた島内救急医療の役割を終えたが、台風など大橋閉鎖時の救急診療を含め、宮古病院からの診療応援を中心とした研修医や離島・へき地研修などの役割を持ち、診療を継続してきた経緯がある。
 下地理事長は「これから改装工事などが入るが、開院に向け早めに行動し、島の人たちの期待に応えたい」と語った。
 呉屋事務局長は「徳田先生が『生命(いのち)だけは平等だ』と伊良部島の人たちのために残したこの診療所を引き継いでいただき本当に感謝している。これからもいろいろな面でサポートしていきたい」と述べた。
 同席した元伊良部町議会議員で市への徳洲会誘致に携わった本社の洌鎌敏一会長は「下地院長の決断に感謝している。これで伊良部島の人たちも安心できると思う。お世話になった故徳田虎雄先生にも良い報告ができる」と語った。
 これにより、伊良部島における医療の安定供給が確保されることを期待しており、地域への貢献がさらに深まることが望まれる。特に、台風や緊急時の医療アクセスの重要性が再認識されている。

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