空砲での射撃訓練を行う自衛隊員ら =9日、保良訓練場

射撃訓練開始へ説明会 宮古島駐屯地 屋内外で音量を検証

 陸上自衛隊宮古島駐屯地(比嘉隼人司令)は9、10の両日、保良訓練場での射撃訓練開始に向けた説明会を開いた。4月に実施予定だったが、ヘリコプター墜落事故などの影響で延期になっていた。屋外での空砲と屋内での実弾訓練を展示し、音の大きさなどを検証。屋外訓練では、約130㍍離れた最寄りの民家で50デシベル台であることを示し、市民に訓練への理解を求めた。訓練場前では、射撃訓練に抗議を行う市民の姿もあった。
 保良訓練場内の覆道式射撃場は3月末に完成。4月8日に地域住民などへ向けた説明会を開く予定だったが、直前の6日に宮古島近海で陸上自衛隊のヘリコプターが墜落する事故が起きたため中止されていた。
 今回は9日午前に宮古島市職員、午後に地域住民、10日に市議会議員や関係機関対象の説明会を開催。銃撃音の基地内外、建物内外での聞こえ方を実地で測定するとともに、安全管理などについて説明。射撃訓練を行っても騒音や安全面で市民に悪影響が出ることはないとして、訓練開始への理解を求めた。
 4月には説明会前に説明会の予行演習として射撃訓練を行っていたが、今回も同様だったという。同駐屯地によると、予行以外の射撃訓練はこれまで行われておらず、今後本格的な射撃訓練が開始される見込み。保良訓練場ではそれ以外の訓練は既に実施されており、その都度地域住民への事前告知を行ってきた。射撃訓練についても、同様の取り組みを継続する。
 説明会では屋外で空砲を用いた不審者制圧訓練を行った後、射撃場内で実弾訓練を実施。それぞれ音量を測定した。屋外では訓練場敷地内で70~80デシベル、最寄り民家で53~54デシベルを計測。一般的な目安では、50デシベルは静かな事務所やエアコン室外機、80デシベルは救急車のサイレンなどと同等とされる。
 屋内の実弾射撃では、参加者に耳栓の装着が義務付けられた。極めてうるさいとされる最大124のごう音が鳴り響いたが、コンクリートで隔てられた場外では55デシベルにとどまった。
 比嘉司令は「安全管理や音について、実際に体験してもらいたく説明会を開催した。教育訓練と安全管理は車の両輪。危険を伴う訓練もあるが、隊員の命を預かる長として安全管理を徹底している」と述べた。

比嘉隼人司令

関連記事一覧