農作物被害は2625万円 台風2号、ゴーヤーなど野菜中心に
県宮古農林水産振興センターが2日に発表した台風2号農作物等被害速報(第1報)によると、宮古地区の被害額は野菜を中心に2625万円となった。多くはゴーヤーやトウガンで強風から施設を守るため収穫をあきらめてビニールを降ろしたケースで、露地栽培のオクラは回復が見込まれている。サトウキビは多良間村で若干の被害があった。葉たばこに関しては日本たばこ産業(JT)が被害調査を行っていく。
野菜は被害面積17㌶、減収量72㌧、被害額2433万円。内訳はゴーヤーが1584万円(被害減収量39・6㌧)、トウガンが540万円(同30・0㌧)、オクラが309万円(同2・5㌧)。収穫後半だったゴーヤーとトウガンは、作物は被害を受けるが強風で施設が破損しないようにビニールを降ろした。6~7月が収穫最盛期となるオクラは強風により茎葉や果実に擦れが見られるが、数日で回復が見込まれるという。
サトウキビは宮古島市の被害はゼロ、多良間村が被害面積354㌶、減収量82㌧、被害額192万円。強風の影響は少なく折損は見られず、夏植でわずかに倒伏があり、葉先の裂傷が見られるため今後の潮害を懸念している。
マンゴーの被害もゼロで果実の落下はほとんどないが、一部で果実の擦れがあり今後の果皮障害や病害の発生、収量等に影響する可能性があると指摘する。
台風接近前に施設を守るためビニールを降ろした下地の園芸農家は「ゴーヤーが4棟残っていた。来月まで出荷を続けられたがあきらめた。去年は長雨の影響があった。まだ6月で台風のシーズンはこれから。安心できない」と話した。
平良のマンゴー農家は「最初の予報ではかなりの被害を覚悟していた。思ったより早く通過し、強い吹き返しも無かったので良かった。ビニールが10枚ほど破れたが、実が落ちなかっただけ良い。今年は花が遅かったので例年よりも遅い6月末ごろの出荷になりそう」と話していた。
JAあたらす市場では台風前に農家が駆け込みで出荷したゴーヤーやオクラなど多くの野菜が棚を埋めていた。同店は「台風後にどれくらい収穫できるか。今後の出荷がどうなるか心配」と話した。