不法占拠物が撤去されたことを確認する市職員ら =下地島、中の島海岸

中の島海岸、不法占拠建築なくなる 市「今後も連携して対応」

 中の島海岸の市有地を男性が不法に占拠して海の家を営んでいた問題で、28日、建物などがすべて撤去されていたことが分かった。市は男性に同日までの撤去を求める通知文書を手渡しており、職員らが確認に訪れたところ、建築物だけでなく男性の姿も見当たらなかった。市職員は「同様の事態が起きないよう監視し、今後も連携して対応していきたい」と述べた。マリンレジャー業や市議会議員などの関係者からは、安堵や喜びの声が聞かれた。
 男性は数年前から不法占拠を続けており、市は21日に正式な文書を手渡す予定だった。男性が突然、25日から1人千円の入場料徴収を予告する看板を立てたため、市や観光協会などに苦情が殺到。急きょ前倒しで口頭注意を行ったが、全国ネットのテレビ番組で取り上げられるなど、大きな注目を集める事態になった。
 市は21日、期日までに退去しなかった場合法的措置を検討するとの文書を男性に通知。市職員によると、男性は自らの手で撤去作業を進めていたという。オレンジ色の建物などがなくなった同海岸では28日、青空の下見晴らしの良い景色が広がっていた。
 市の財産を所管する財政課の国仲英樹課長は「無事に撤去されてほっとしている。観光商工課と連携して当たったことで、迅速にことが運んだと思う。今後も連携して取り組み、同様の事態が発生しないようにしていきたい」と述べた。
 観光商工課の川平敏光課長は「観光振興のためには、一定のマリンアクティビティを提供することが必要。中の島だけでなく、安全管理を含めたレジャー提供の対策を考えたい」とした。
 同海岸でマリンレジャー業を営む事業者は「自分の作る組合に入らないと金を取るとも言われており、警察への相談も考えていた。女性観光客に対して口に出せないような性的な暴言を吐くなど、大変迷惑していたため、平和になって安心している」と語った。
 マリンレジャーにおけるルール作りに積極的に取り組んでいる市議の砂川和也氏は、本紙の取材に「ようやく中の島が本来の姿に戻った。より一層多くの方に楽しんでもらえるようになったことをうれしく思う。安心安全な宮古の海を作るため、今後も関係各機関と連携して取り組みを推進していきたい」と述べた。

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