開会した3月定例会で施政方針演説を行う伊良皆村長 =多良間村議場

110周年、さらに成長へ 伊良皆村長が施政方針

 【多良間】多良間村議会(福嶺常夫議長)の3月定例会が9日、同村議場で開会した。伊良皆光夫村長が2023年度施政方針演説を行い、村制施行110周年の節目を迎え「先人から受け継いだ多良間を次世代に引き継ぐため、経済だけでなく全ての分野において、村をさらに成長させていく必要がある」と決意を示し、農林水産業、教育、福祉、生活基盤整備、人口減少対策などの主要な施策や事業概要について説明した。
 伊良皆村長は成長し続ける村づくりについて「多くの先人たちの努力により築かれた歴史や伝統、文化、住民組織、自然環境など貴重な財産を次の世代に伝え、未来を生きる子どもたちが希望を持って歩んでいけるよう新たなことに挑戦し、取り組まなければならない。村政の基本姿勢を貫き、村民とともに力を合わせて一歩ずつ着実に歩みを進め、村の未来を全力で拓いていきたい」と語った。
 産業振興に関しては21年度には農業生産販売額の18億6千万円を達成し、新たな目標額として20億円必達を生産農家や関係機関と連携して取り組んでいく。国営土地改良事業は23年度から全体実施設計が進められるが、高収益作物導入に向けて営農指導員の確保を図る。飼料高騰が長期化する畜産農家には村独自の支援策を検討し、山羊は増頭に向けた取り組みを支援していく。
 教育では電子黒板の導入、福祉では一人暮らし高齢者宅へのエアコン等購入費助成制度の検討、水道事業では引き続き県に広域化を要望、人口減少対策では村の魅力発信や移住体験ツアー、移住相談の受入業務の外部委託の検討などに取り組んでいく。
 23年度の主な事業では▽村制110周年記念事業▽たらぴん公園整備事業▽村自然文化継承事業▽中学校グラウンド整備事業▽地域資源循環活用機械導入事業▽廃棄物処理施設基幹的設備改造事業▽農業基盤整備促進事業(迎原地区、高瀬第1地区、高瀬第2地区、大神地区)▽不発弾等事前探査事業▽村道フダツガー線改良工事▽仲筋南北線工事▽南原団地建設工事▽県営土地改良事業―などを計画している。
 村議会3月定例会の初日は一般質問が行われ、6人が登壇した。村当局からは23年度一般会計予算案など20議案が上程される。会期は17日までを予定している。

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