伊良部大橋を正面に臨む伊良部池間添で計画されているホテルの整備予想(赤線で囲んだ部分) =提供

伊良部などホテル3件承認 景観審議会、基準「適合」南西楽園は再届け出

 第3回宮古島市景観審議会(会長・池田孝之琉球大学名誉教授)が22日午後、市役所で開催され、座喜味一幸市長から届け出のあった伊良部池間添の(仮称)InternationalResortHotelProject(インターナショナル・リゾート・ホテル・プロジェクト)、上野宮国の(仮称)リゾートホテル悠々アイランド、上野宮国のアラマンダ・ヒルトップホテルの3件を諮問。審議の結果、いずれも景観基準におおむね適合するとして承認した。審議結果は3月に市長答申する。

 同日午前に3件の届け出に基づいて委員が現地を視察。午後から市役所で大嶺弘明建設部長が池田会長に諮問した。大嶺部長は「宮古島市のリゾート開発は多いが、景観を守らなければならないという課題もある。委員には審議で難しい部分もあるが、貴重な意見を」と述べた。3件の届け出については事務局の都市計画課の説明のあと、事業者が質疑に答えた。

 伊良部池間添のリゾートホテルは大阪の座間グリフィンが届け出。伊良部大橋を正面に望む伊良部島南側の2万3792平方㍍の敷地に、高さ9階建て相当のホテルで27・75㍍、それにレストラン棟を計画している。客室数は138室。高さについてはホテルが階段状(ひな壇)に4棟に分かれ、設置面からは実質的には最高13㍍とし、緑化なども考慮して景観形成基準ではほぼ適合となった。

 委員からは伊良部大橋からほぼ正面に位置することから、緑化などについて工夫するよう意見があった。池田会長は今後の周辺用地におけるリゾート開発の在り方について行政側の指導を検討するよう求めた。
 悠々アイランド社の計画は、県道235号線沿いの海岸地域景観ゾーンに位置する。敷地面積は645平方㍍。地上3階建てで高さは10.57㍍。客室は6室。景観基準は7㍍以下で適合しないが、緑地確保や敷地が県道から南側の道路より低く、離れている配慮などを踏まえて総合的に適合とした。
 アラマンダ・ヒルトップは南西楽園リゾートが計画し、2021年に届け出があったが、いったん取り下げられた。今回は階数を地上9階から7階、客室数を120室から98室にそれぞれ削減し、ヴィラ4棟を追加し、敷地面積を7765平方㍍から8209平方㍍に拡大した。

 海岸地域景観ゾーンの観光・リゾート共生景観に位置付けられている。建物の高さは32.7㍍と基準の13㍍以下を大きく超えるが、県道からの高さなどの配置や建物の高さの違う建物を組み合わせる形態の変更などを踏まえ、おおむね適合とした。

池田氏(左)に3件のホテル建設計画を諮問する大嶺部長=市役所ホール

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