地域包括ケア病床の運用がはじまった県立宮古病院の外観 =平良下里

地域包括ケア病床 宮古病院、25床の運用開始

 県立宮古病院(岸本信三院長)は1日、「地域包括ケア病床」25床の運用を開始した。急性期医療を終えて病状が安定した患者が、在宅や介護施設で安心して生活できるようにするための退院支援やリハビリを中心に実施する「入院患者の在宅復帰を支援する病床」で、地域医療構想で示された回復期の対応として同病院が2022年度で準備、取り組んできた。
 同病院によると、地域包括ケア病床の対象は、①病状は安定したが退院に向けてもう少し経過を観察②在宅復帰に向けて、在宅療養するための訓練や準備③在宅療養中だが、一時的に病状が悪化して入院―などが必要となった患者。
 基本的には、在宅か介護施設に戻る患者が対象。入院期間は最大60日間としているが、同病院では訓練などの状況に合わせ、おおむね30日前後での退院をめどにするとしている。
 国は2014年度の診療報酬改定で新たに「地域包括ケア病棟」を設置した。超高齢社会を迎え、75歳以上の後期高齢者が今後もさらに増え、治療を終えた後にリハビリテーションや介護など生活支援を必要とする患者を受け入れる同病棟は、「住み慣れた地域で最後まで安心して暮らせる」という地域包括ケアシステムを支えるものとして注目されている。
 厚生労働省は同病棟の役割について、▽急性期治療を経過した患者受け入れ=退院してすぐに在宅での生活が不可能な場合、急性期病院・病棟から患者を受け入れ、引き続き治療やリハビリを行う▽在宅療養の患者等受け入れ=自宅や介護施設で医療・介護専門職の支援を受けながら療養生活を送っていて、急に具合が悪くなった時の緊急受け入れ▽在宅復帰支援=自宅や介護施設に戻って元の生活を送れるよう支援する。医療ソーシャルワーカーやケアマネジャーなどが中心となり、看護や介護に関する相談・指導など退院に向けたサポートの実施―などを挙げている。

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