学校管理規則改正を審議した教育委員会定例会 =市役所

小中学校長期休暇 春延長、夏短縮へ 働き方改革で規則改正

 宮古島市教育委員会(大城裕子教育長)は26日、市役所で今年度の第10回定例会を開き、2023年度から小中学校の春休みを5日間延長し、夏休みを5日間短縮する学校管理規則の改正を決定した。長時間勤務の常態化が全国的な課題となっている教職員の働き方改革に取り組むためのもので、異動による引継ぎなどで業務が集中する年度末の負担軽減を図る。新学期に十分な準備をして子どもたちを受け入れられるようにすることで、環境の変わる子どもたちにきめ細かな支援を行うことも狙いの一つ。
 市教委は21年度から、出退勤システムを導入して教職員の勤務時間状況について確認。過労死ラインとされる月80時間を超える時間外勤務を行った教職員は、同年度の月平均で小学校2・9%、中学校4・3%だった。3月は小学校5・6%・中学校4・8%、4月は順に9・1%、12%と高く、業務過多になっていることが分かったという。
 市内の各学校にアンケートを取ったところ、春休みを延長することでゆとりを持って児童生徒を迎え入れたいとの声が大きかったため、規則を改正した。
 3学期の修了を3月24日から21日に早め、1学期の始業日を4月7日から9日に延期する。これにより春休みが5日間長くなるが、2学期の始業日を9月1日から8月27日に変更し、夏休みを5日間短縮する。変更は23年度からなので、ことしの3学期修了は従来通りの3月24日。
 大城教育長は「教職員の働き方改革について実効性のある取り組みを考えていた。勤務状況の詳細な確認に努めたところ、3月と4月に時間外勤務が多くなっていたため、規則の改正を提案した」と説明。
 市内の学校長からは「学校管理規則を変更するのは勇気ある判断。市教委が現場の声と向き合って、働き方改革に取り組んでくれることはありがたい。さまざまな施策が展開されるきっかけになってほしい」と歓迎する一方、「全体的な業務量が変わるわけではない。年間を通した全体的な視点で本当に必要な業務とそうでないものを見極めなければ、抜本的な働き方改革にはならない」と指摘する意見もあった。
 同日の定例会では、閉園及びこども園に移行した幼稚園を市管理規則から削除する改正を決定したほか、市民プールの整備方針に関する報告も行われた。

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