沖縄振興費2679億円 23年度当初予算 2年連続3千億下回る
政府は23日の閣議で2023年度当初予算案を決定した。沖縄振興予算案は前年度当初比5億円減の2679億円となり、2年連続で3千億円を下回った。概算要求額2798億円比で119億円減額となった。県や市町村が使途を自由に決められる沖縄振興一括交付金は約4億円減の759億円と過去最低を更新。一方、国が市町村に直接交付する沖縄振興特定事業推進費は、各自治体の増額要望を踏まえて5億円増の85億円とした。
一括交付金の内訳は、ソフト(特別推進費)が約4億円減の391億円、ハード(公共投資)が同額の368億円。沖縄振興特定推進費はソフト交付金を補完する名目で沖縄の自立的発展に資する事業として迅速・柔軟に対応するため国が県を通さずに市町村に直接交付するもの。
このほか公共事業関係費は前年度とほぼ同額の1261億円を盛り込んだ。子どもの貧困緊急対策は1億円増の17億円、沖縄離島活性化推進事業は25億円、沖縄小規模離島生活基盤整備推進事業は7億円といずれも前年度同額、沖縄製糖業体制強化対策は2億円減の5億円。
新規は、農林水産物・食品販売力強化支援に1億円、県産酒類製造業者の自立的経営基盤構築に向けた調査に1億4千万円、沖縄型スタートアップ拠点化推進事業に1億円をそれぞれ計上。県在住の外国人宅のホームステイや交流体験で国際交流体験促進事業も盛り込んだ。
沖縄振興開発金融公庫補給金・出資金は、新型コロナ感染症特別貸付に伴う増益収支差に対する補給金24億円、スタートアップ支援の資金原資積み増しの2億円の計26億円とした。前年度比7億円の増加。
23年度予算案については、アジアの玄関口としての地理的特性や全国一高い出生率などの優位性と潜在力を有することを生かし、「強い沖縄経済」の実現と日本経済成長のけん引役となるよう、国家戦略として沖縄振興策を総合的、積極的に推進するとした。
沖縄県の玉城デニー知事は同日、「沖縄振興予算及び税制を積極的に活用し、沖縄の自立的発展と県民一人ひとりが豊かさを実感できる社会の実現に向けて全力で取り組む」、岡田直樹沖縄担当相は、「予算を従来以上に効果的・効率的に執行し、沖縄が抱える課題解決の取り組みを支援する」とコメントを発表した。