一般質問で答弁する座喜味市長(中央) =22日、市議会本会議場

農業委員に質問集中 市議会定例会 要項と提案に食い違い

 宮古島市議会9月定例会は20日から一般質問を行っているが、連日多くの議員から、農業委員会委員の選任について質問が集中している。募集要項や選考の点数付けと、座喜味一幸市長が議会に提案した候補者に食い違いがあることが問題視されているもの。議員らは選考に透明性がないと批判を強めているが、当局は問題ないとの認識を示し、議論は平行線をたどっている。農地の違反転用が解決できていないと指摘する議員もいる。
 9月定例会には、任期満了に伴う農業委員の任命同意案が17件提案されている。38人の応募者があった中から、評価委員の選考を経て最終的に座喜味市長が選定したもの。
 募集から選考までは、17人のうち中立的立場の委員は1人と定められていたが、議会には中立2人を提案。平良地区担当の委員が5人から4人に減らされている。また評価点が低い人が高い人を抑えて選ばれている例もあり、中立のうち1人はほかの候補者に比べ著しく点数が低い。
 議員らは公表されているルールに基づいた選考が、最終的に市長判断で変更されたことを問題視。「市長の越権行為」「選考の公平性・透明性が失われている」「行政の信頼を損ねる」など、批判を強めている。
 座喜味市長は「農地行政の迅速化や女性・若者の登用は十分配慮されるべき。評価委員会の報告は必ずしも決定事項ではない。市長の裁量であり、越権行為ではない」と批判を否定。
 嘉数登副市長は「法の文言は『委員会報告に基づき』ではなく、『委員会報告を受けて』となっている。評価結果に100%拘束されるものではなく、市長の総合的な勘案が加味される余地がある」と示した。
 自治会の推薦を受けて農業委員会を務めたことがあるという議員は「農地を宅地に転用したいとの意見があっても、農地法に基づいてしか判断できない。政治が関わるのであれば、法の緩和に向けて国・県に働きかけ、委員をバックアップしてほしい」と求めた。
 平良松原の農地違反転用問題を質問した議員は「農地に建設資材放置、宮古島市議が改善指導に応じず」などの県内新聞報道を紹介。「7年間も解決できていないのはなぜか。農業委員が職務を放棄しているのか」と糾弾した。

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